そのこわばり、身体が“守ろうとしている”サインかもしれません
- タナカユウジ

- 4月24日
- 読了時間: 3分

肩や首がガチガチにこわばってしまう…そんな経験はありませんか? 実はその身体のこわばり、あなたの身体が「自分を守ろう」としているサインかもしれません。
今回は、身体の緊張やこわばりの背景にある“身体の働き”について、やさしく、でも少し専門的な視点も交えながら解説してみたいと思います。
■ 身体の緊張は、防御反応かもしれません
例えば、びっくりしたときに肩がすくむ、怖いときに息が浅くなる、寒いときに身体が縮こまる。
これらはすべて、私たちの身体が「守ろう」としているときに自然に出る反応です。
このとき、身体の中では「交感神経」が優位になっています。
交感神経は自律神経のひとつで、緊張したときやストレスを感じたときに働きます。
心拍数や呼吸数を上げ、筋肉に力を入れて「戦うか逃げるか」の状態をつくる、いわば防御のためのシステムです。
逆に、リラックスしたときには「副交感神経」が優位になります。
これは心身を休ませ、回復させる働きがあり、呼吸が深くなったり、内臓の働きが活発になったりします。
このふたつの神経は常にバランスをとりながら働いていますが、 ストレスの多い現代では、交感神経が優位になりすぎている方がとても多いのです。
その結果、肩や首がこわばったり、呼吸が浅くなったりと、身体がずっと“戦闘態勢”に入りっぱなしになってしまうことがあります。
■ こわばりに気づくことが、ゆるむ一歩目
整体の施術をしていてよく感じるのが、 「ご本人がこわばりに気づいていない」というケースです。
身体がガチガチでも、ずっとその状態に慣れてしまっていて 「これが普通」と思っていることもあります。
でも、そこに気づくことができたら、それだけで大きな一歩です。
「こんなにがんばっていたんだな」 「力が入っていたんだな」 そう思えたとき、身体も少しだけ安心して、緊張をゆるめはじめることがあります。
実際、自分の身体の状態に気づいたとき、 副交感神経が働きやすくなり、深い呼吸や自然な脱力が起こりやすくなると言われています。
■ 無理にほぐすよりも、「安心できること」が大切
こわばりは「敵」ではありません。 むしろ、「今までよくがんばってきたね」という、身体からのサインでもあります。
だからこそ、無理にほぐすのではなく、 「安心できる環境」や「安心できる関係性」がとても大切になります。
実は、安心感を感じたときに働くのも、副交感神経です。
つまり、「安心すること」そのものが、身体をゆるめる自然なスイッチになるのです。
整体の現場では、身体に触れる前にまず 「ここは大丈夫な場所だよ」という空気感を大切にしています。
やさしい手、落ち着いた声、温かい空間。 そんなひとつひとつが、身体にとって「安心できるサイン」になります。
そうした安心感が積み重なることで、 身体は防御モードから少しずつ離れ、ゆるみやすくなっていきます。
■ 身体は、あなたの一番の味方
身体のこわばりは、「あなたを守るためのサイン」。
ずっと力が入っていることに気づいたら、 まずは身体に「ありがとう」と声をかけてあげてください。
そして「もうがんばらなくても大丈夫だよ」と、 ゆっくり呼吸をして、安心する時間を少しずつ増やしていきましょう。
整体はそのお手伝いができる場所でありたいと思っています。
※当院では厚生省ガイドラインを遵守し、皆さまに安心してご利用いただける環境づくりに努めています。



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