top of page
みどり整体院
All Posts


日常動作を少し丁寧に。続けやすい身体の考え方
「運動をしなければ」と思うほど、なかなか続かない。そう感じている方は、決して少なくありません。 仕事や家事で一日が終わり、わざわざ運動の時間を取る余裕がない、という声もよく聞きます。 気合を入れて始めても、数日で途切れてしまった経験がある方も多いかもしれません。 けれど、よく考えてみると、私たちは毎日すでにたくさん身体を動かしています。 立つ、座る、歩く、かがむ。これらはすべて、身体を支え、動かす基本的な動作です。 大切なのは、「新しい運動を足すこと」ではありません。 すでに行っている動作を、少しだけ丁寧に使ってみる。その視点です。 日常動作は、身体を支える動きの集合体 日常の動作は単純なようでいて、実は多くの部位が同時に関わっています。 たとえば立つという動作ひとつでも、足裏で床を感じ、脚で身体を支え、骨盤や背中が姿勢を保ち、上半身がバランスを取っています。 身体の違和感や不調は、使っていないから起こるというより、同じ使い方が続くことで偏りが生まれる場合もあります。 だからこそ、動作そのものを少しだけ変えてみる。それだけでも、身体への刺激は変わ

タナカユウジ
5 日前読了時間: 4分


時間を奪うのは、誰か。――『モモ』を読んで考えたこと
今回は、ミヒャエル・エンデ著の児童書『モモ』の感想を書きたいと思います。 『モモ』は1973年に発表された作品です。 日本では長く読み継がれてきました。児童書として紹介されることの多い一冊です。 一方で、大人になってから読み返すと、受け取る印象が大きく変わる本でもあります。 物語の中心にあるテーマは「時間」です。 ただし、それは予定管理や効率化の話ではありません。 人がどのように時間を感じ、どのように生きているのか。 その感覚そのものが、物語全体を通して静かに描かれています。 ここから先は、あらすじに触れます。未読の方は、その点だけご承知ください。 『モモ』という物語の骨格 円形劇場と、話を聞く少女 物語は、廃墟となった円形劇場に住む少女モモと、彼女のまわりに集まる人々から始まります。 登場するのは、町の人たちです。道路掃除の仕事をしているベッポ。 話好きで、昔話を語るジジ。 ほかにも、歌い手や職人、子どもたちが、円形劇場に出入りします。 モモには特別な力があります。 それは、相手の話をじっくりと聞くことです。 彼女の前では、人々は自分の言葉を取

タナカユウジ
1月9日読了時間: 6分


年末年始に寄せて
年末年始というと、一区切りとか、新しいスタートとか、そういう言葉をよく目にします。 けれど実際の生活は、カレンダーが変わったからといって、急に何かが切り替わるわけでもありません。 朝起きて、歩いて、食べて、息をして。身体の感覚は、昨日から今日へ、そのまま続いています。 みどり整体院は、今年オープンして10か月が経ちました。新しい環境での再スタートでしたが、振り返ってみると本当にあっという間だったなと感じています。 忙しかったとか、順調だったとか。 そういう言葉でまとめる気はあまりありません。 ただ、日々の積み重ねの中で、身体と向き合う時間が淡々と続いてきた。それだけは確かです。 年が変わると、気持ちを切り替えなきゃと思う方もいるかもしれません。 でも、身体はカレンダーほど器用ではありません。 無理に整えようとしなくても、置いていかれることもありません。 呼吸の深さ。立ったときの足裏の感触。椅子に座ったときの重心。 そうした小さな感覚は、意識してもしなくても、いつもそこにあります。年末年始に特別なことをしなくても、その感覚が失われることはありません

タナカユウジ
2025年12月30日読了時間: 2分


だれかのためにできること
人や街のために、何かできたらいい。そう思う瞬間は、誰にでもあると思います。 ただ同時に、「立派なことをしなければ意味がないのではないか」「中途半端にやっても仕方がないのではないか」そんな気持ちが先に立ち、結局何もしないままになることも少なくありません。 今回は、そうした話とは少し違うところから始まった、私自身の実体験について書いてみたいと思います。 人のためにすること|高齢者との関わり 約3か月前から、ボランティア活動を続けています。 といっても、最初から強い志や明確な目的があったわけではありません。 「できることがあったから、やってみた」それに近い、ごく自然な始まりでした。 やってみて、続けられそうだと感じた。だから、続いている。今振り返ると、それだけのことだったように思います。 現在行っているボランティアの一つは、高齢者のお手伝いです。内容は主に、掃除などの身の回りのこと。 生活の中で後回しになりやすい部分を、一つずつ整えるような関わりです。 関わる相手は「人」です。しかも、その人の生活そのものに直接触れる形になります。 続ける中で強く感じた

タナカユウジ
2025年12月19日読了時間: 4分


一つに心を置くとき、身体はゆるむ ――集中できない時代と「一行三昧」のおはなし――
日々の生活のなかで、「気づくと心が落ち着かない」「頭がずっと動き続けている」そんな感覚を抱える方が増えています。 やることが極端に多いわけではないのに、気持ちが散らかってしまう。身体もそわそわして、呼吸が浅くなり、肩まわりや頭皮がこわばりやすくなるように感じる。 みどり整体院でも、こうしたお話を伺うことが少なくありません。 現代は、スマホやパソコン、さまざまな通知や情報の流れが途切れず、「同時にいくつものことを意識させられる」時代です。気づかないうちに注意が分散し、心と身体の軸が、少しずつ外側へ引っ張られていきます。 そんなときに役立つ考え方として、昔から大切にされてきた「一つのことに心を置く」という姿勢があります。 禅の世界では、これを 一行三昧(いちぎょうざんまい) と呼ぶことがあります。 難しい修行の話というよりも、今の私たちの暮らしにも取り入れやすい「集中の整え方」のひとつとして、ここではご紹介したいと思います。 一つの行為に心を置くと、呼吸が深まり、身体のこわばりもふっとゆるむことがあります。 その小さな変化が、気持ちの落ち着きや姿勢の

タナカユウジ
2025年12月6日読了時間: 9分


猫背は、身体が守ってる「最後の砦」
冬の朝、肩をすくめて歩くと、背中は自然と丸くなります。 寒さだけではありません。忙しさや不安、人に見られる緊張でも、身体はそっと胸を閉じて自分を守ります。 猫背は、だらしなさの証拠ではなく、「安全を守る姿勢」でもあると私は考えています。 無理に伸ばす前に、その理由を聞いてあげる。そこから、自然に開いていく余地が生まれます。 猫背は、悪者ではありません。多くの場合、防御反応として形作られています。 無理に「直す」よりも、「ほどく」ことが大切です。 安心できる条件を整えると、背中は自然に開きやすくなり、姿勢は長く安定しやすくなります。 日常の動作や環境を少し見直すだけでも、その変化を感じる方が多いです。 整体現場でよくある質問 「猫背は直さないといけないですよね?」と聞かれることがよくあります。私はこうお伝えします。 「そうとも限りません。まず、なぜその形になっているのか身体の声を聞いてみましょう」 ある方の例です。デスクワーク歴が長く、人前で話す機会が増えた頃から背中が丸くなったと感じるとのこと。 施術では胸を無理に開かず、まず背中側のこわばりと首

タナカユウジ
2025年11月15日読了時間: 6分


焦るほど、身体は遠ざかる : 東洋の知恵と“静けさの技術”
速く片付けたいほど手はもつれる。心が先へ走るほど身体は置いていかれる。 そんな経験はありませんか? 現代は「急げ」と「もっと」が常に背中を押す時代です。 焦りで高ぶった心は、いちばん頼りにすべき身体の感覚から私たちを切り離してしまいます。 今回は、東洋の知恵とシンプルなリズムづくりで「静けさを取り戻す」ための実践ガイドです。 ここでいう“東洋の知恵”とは、禅・道教・仏教などに共通する「力を抜き、今を感じる」生き方のこと。 無理に制御せず、自然の流れに合わせて心身を調える考え方を指します。 なぜ焦ると身体感覚が薄れるのか 東洋の思想では、「心と身体は同じ流れの中にある」とされます。 心が未来へ走ると、身体も自然とバランスを崩す。焦りは“気の乱れ”とも言い換えられます。 焦りは、心が未来へ走っているサインです。 「まだ起きていないこと」にエネルギーを使いすぎると、現在の感覚がかすんでしまいます。 足の裏の重みや息の深さなど、身体の声が聞こえにくくなるのです。 注意が未来へ逃げると、今この瞬間にある情報(体温、呼吸、姿勢)をキャッチできません。...

タナカユウジ
2025年11月7日読了時間: 6分


思考を“整える力”に変える3つのステップ ─頭の中の渋滞をほぐす方法─
考えすぎる現代人へ 気づけば一日中、何かを考えている──。そんな方は少なくないと思います。 けれど、その多くは現実を整理する思考ではなく、頭の中をぐるぐる回る反芻です。 本来、思考とは現実を整えるための道具でした。 けれど、情報があふれる今の時代、思考はいつのまにか「心のノイズ」になってしまうことがあります。 ここでは、思考をもう一度「整える力」に変えるための3つの方法をお伝えします。 思考は「整理棚」に置く 悩んでいるときの頭の中は、散らかった部屋のようです。 考えごとや感情が床いっぱいに広がり、どこから手をつけていいか分からなくなることがあります。 そんなときに大切なのは、思考を止めようとするのではなく、 一度“外に出してみること”。 紙に書き出す、声に出す、歩きながら整理する──方法はどれでも構いません。 頭の中にだけ置いておくと、同じ思考を何度も繰り返してしまいます。 けれど、言葉にして外へ出すことで距離が生まれ、落ち着いて眺められるようになります。 言葉を“主語”から見直す 「なんであの人は」「どうして自分ばかり」──悩みの多くは、主語

タナカユウジ
2025年10月31日読了時間: 3分


幸せを感じる身体の使い方:幸福は“スキル”である
幸せは「感じる力」から始まる 私たちはつい「幸せ=出来事」と考えがちです。 良いことが起きれば幸せ、悪いことが起きれば不幸せ。 しかし、実際の幸福感は“何が起きたか”ではなく、“どう感じ取れるか”で決まります。 その「感じ取る力」を支えているのが、じつは身体の状態です。 呼吸が浅く、肩に力が入りっぱなしのとき、どんなに嬉しいことがあっても心は追いつけません。 幸福は「環境」ではなく「習慣」で育つ。 そう考えると、幸せとは練習できるスキルの一つなのです。 幸せを感じにくいのは意志の弱さではない 「頑張ればもっと前向きになれるはず」「自分が弱いから落ち込むのだ」と考えてしまう人は多いですが、それは誤解です。 幸せを感じにくいとき、多くの場合、原因は“意志”ではなく“神経の働き”にあります。 私たちの神経系は、安心と警戒のスイッチを自動で切り替えています。 ストレスが続いたり、疲れが抜けないと、このスイッチが「警戒モード(交感神経)」のまま固まってしまう。 すると脳は常に外の刺激に備えており、喜びや感謝といった繊細な感情をキャッチしづらくなるのです。.

タナカユウジ
2025年10月24日読了時間: 5分


心を支配しようとすると不安は増える──コントロール幻想から抜け出す「余白の心理学」
「落ち着け、落ち着け」と言い聞かせるほど、呼吸は浅くなり、肩まわりの力みが抜けなくなる。 身体の世界ではよくある現象です。心でも似たことが起きます。 コントロールしようとするほど不安定になる——この逆説をどう扱うかが、日々の過ごしやすさを左右します。 今回は、「支配」ではなく「流れを整える」という発想で、心の余白を取り戻す方法をまとめます。 ここでいう“整える”とは、我慢や努力で抑え込むのではなく、外から入る刺激を減らして、自分の中に静けさを戻すことを指します。 整えようとするほど、身体も心も固まる理由 がんばって姿勢を正そうとすると、首や肩が先に固まり、逆に呼吸が浅くなることがあります。 これは力み(過剰な筋緊張)が可動域を狭くするためです。 心にも似た現象が起きます。感情や思考を完璧に「制御」しようとすると、 失敗を過度に恐れて始めにくくなる(開始の可動域が狭くなる) 予定や数値の微調整に追われて疲れやすくなる(注意資源が目減りする) 小さなズレに敏感になり、不安が増えたように感じる 「コントロール=安全」という前提が強すぎると、かえってコン

タナカユウジ
2025年10月17日読了時間: 4分


夜中に目が覚めても大丈夫:再び眠りに戻るための実践ノート
夜中にふっと目が覚めてしまうと、「また眠れなかったらどうしよう」と焦りが出て、ますます目が冴えてしまうことがありますよね。 そんなときに役立つのが、“ちょっとした工夫で脳と身体の緊張を落ち着ける方法”です。 この記事では、セルフケアとして取り入れやすい考え方と具体的な実践をわかりやすく紹介します。 夜中に覚醒するのは異常ではない 人の睡眠はおおよそ90分前後の周期で浅くなったり深くなったりを繰り返しています。 その過程で短く目が覚めるのは自然な現象です。 ただし「眠れないかもしれない」という不安が重なると、交感神経が優位になって脳と身体が覚醒し、再び眠りに戻れなくなります。 だからこそ、「自然なこと」と受け止めて、焦らない工夫が大切なのです。 1. 最初の3分がカギ 夜中に目覚めてからの最初の数分間が、再び眠れるかどうかを左右します。 時計やスマホを見ない :光刺激が脳を「朝」と勘違いさせ、残り睡眠時間を気にすることで焦りが強まります。 まぶたをぎゅっと閉じない :力を入れると顔の筋肉が緊張し、全身もこわばってしまいます。 代わりに取り入れたいの

タナカユウジ
2025年10月10日読了時間: 5分


ストレスを笑いに変える力|ユーモアが生き抜く知恵になる理由
小さな失敗を笑えたとき 駅の階段でつまずいて顔が真っ赤になった経験。 誰にでもそんな「やらかし」はあります。 その瞬間は恥ずかしくても、後から友人に「思いっきり転んだのに誰も気づいてくれなかったんだよ」と笑い話にすると、不思議と気持ちが軽くなるものです。 ユーモアには、心をほぐしストレスとの付き合い方を変える力があります。 心理学が示すユーモアの効用 ユーモアは単なる冗談ではなく、心理学では「ユーモア・コーピング」として研究されています。 これは出来事そのものではなく、その受け取り方を変えてストレスを和らげる方法です。 失敗を「恥ずかしい」とだけ捉えるか、「あとでネタになる」と捉えるかで、心身の反応は大きく変わります。 笑うことで呼吸が深くなり、肩の力が抜けていく人もいます。 つまり、ユーモアは身体の反応を通して心に余裕を生み出すのです。 ただし、ユーモアにも質があります。 自分を元気づける笑い方や場を和ませる笑い方はおすすめですが、他者を傷つけたり過度に自虐的な笑いは逆効果になりかねません。安全なユーモアを選ぶことが大切です。...

タナカユウジ
2025年10月3日読了時間: 4分


一人の気分が場を変えるように、身体もつながっている
はじめに 職場や家庭で、誰か一人が不機嫌だと、周りの空気までどんよりしてしまうことがあります。 逆に、誰かの笑顔やひと言で場がふっと和らぐこともありますよね。 私たちはこうした「見えないつながり」の中で暮らしています。 実は、身体も同じです。肩・首・腰といったパーツは独立しているようで、呼吸や姿勢、生活のリズム、気持ちの張り具合など、目に見えない要素と結び合いながら一つの「場」を作っています。 よくある思い込みをほどく: 「痛い所=原因」とは限らない つらさを感じる部分が、そのまま原因とも限りません。たとえば、 肩がつらい : 実は呼吸が浅く、胸まわりが硬くなっている影響を受けていることも。 腰が重い : 足裏の使い方や骨盤の傾き、椅子の座り方が土台で崩れている場合も。 首が固まる : 目線の高さや画面との距離、噛みしめの癖が関わっていることが多いです。 人間関係で「一人の緊張」が場全体に波及するように、身体でも「一部分の緊張」が全体の呼吸や姿勢に波及します。 人間関係の「見えない糸」を深掘り 職場や家庭を思い浮かべてみてください。...

タナカユウジ
2025年9月23日読了時間: 4分


自分で選んだ感覚を取り戻す――合理性に流されない生き方
「正しいはずの選択をしているのに、なぜか心が満たされない」――そんな経験はありませんか? 本記事では心理学や哲学の視点を交え、合理的な“正しさ”に頼ることの限界と、自分で選んだ感覚がもたらす豊かさについて考えていきます。 正しさがくれる安心と、その副作用 「正しい選択」には確かに力があります。 学校では模範解答を選ぶことで評価を得られる。 会社では効率や成果を重視すれば評価につながる。 健康管理では専門家の推奨を守れば安全に近づく。 このように「正しさ」に従うと失敗が減り、安心を得やすいのです。 ただし、その一方で―― 自分の意思を感じにくくなる :社会やアルゴリズムが示した選択肢をなぞるだけになる。 達成感が短命になる :結果が良くても「自分で決めた」という痕跡が薄いと、満足はすぐに消えてしまう。 挑戦や遊びが減る :正解にこだわることで、寄り道や試行錯誤の余白が削られる。 つまり「正しさ」ばかりを追うと、人生の手応えや楽しみが減ってしまうのです。 自分で選んだ感覚がもたらす充足感 一方で、人はしばしば“非効率”をあえて選びます。...

タナカユウジ
2025年9月19日読了時間: 3分


ソマティック・ストレッチとヴェイガス神経:日常でできる3つのリラックス法
ソマティック・ストレッチとは? ソマティック・ストレッチは「身体を内側から感じること」を重視した、ゆったりとした動きのエクササイズです。 筋肉を強く伸ばすことや鍛えることが目的ではなく、自分の身体の感覚に気づき、無意識に入り込んだ緊張をほどいていくことを狙いとしています。 海外では慢性的な痛みやストレスケアの一環として注目され、研究も進みつつある分野ですが、現時点のエビデンスはまだ限定的で、あくまで医療を補完するセルフケアとして位置づけられます。 なぜ重要なのか 現代人の多くは、忙しさやストレスの中で「常に力が入っている状態」が当たり前になりがちです。 ソマティック・ストレッチは、そのような状態から一歩引いて「緩む感覚」を取り戻すためのシンプルな手段といえます。 呼吸と合わせて行うことで、身体と心の両方にリラックス感が広がりやすくなります。 ヴェイガス神経との関係 リラックスをつかさどる自律神経のひとつに「迷走神経(ヴェイガス神経)」があります。この神経が優位に働くとき、私たちの身体はようやく休息モードに切り替わります。 ソマティック・ストレッチ

タナカユウジ
2025年9月15日読了時間: 4分


考える力を奪われていく社会で、自分の頭を使う習慣を取り戻す
現代の日本で急速に広がっている「自分の頭で考えられない人たち」。 SNSを開けば怒りや不安を煽る投稿ばかり。ニュースを見ても、何が事実で何が演出なのか分かりにくい。 気づけば、自分の意見は誰かの言葉の受け売りになっていて、それを疑うのも面倒くさいと感じる。——そんな経験、ありませんか? 私たちは今、快適さや便利さに包まれながら、静かに「考える力」を手放しつつある時代に生きています。 なぜそんなことが起きているのか、その背景を掘り下げていきます。 エーリッヒ・フロム『自由からの逃走』 ドイツの社会心理学者エーリッヒ・フロムは『自由からの逃走』で、人は「自分の頭で自由に選ぶ責任」を不安に感じると語りました。 その不安から逃れるために、人は権威や集団に従いやすくなる。 つまり、自分で考える自由からあえて逃げてしまうのです。 これは知識不足や残酷さからではなく、心理的な逃避として生まれる思考停止です。 SNSの意見にそのまま従ったり、職場で「上司がそう言うなら」と判断を後回しにしてしまうのも、この構造とつながっています。 ミルグラム実験:権威に従う心理.

タナカユウジ
2025年9月12日読了時間: 3分


否定から始まる癖が、心と身体を固めてしまう理由──共感を取り戻す小さなヒント
チャンネル登録いただけると嬉しいです。 否定から始めていませんか? 日常の会話やネットのやり取りで、こんな場面に出会ったことはありませんか?「でもさ」「いや、それは違う」と、とりあえず否定から入る。そんな癖は、無意識のうちに身についている人も多いものです。 一見すると頭が切れる人に見えますが、この「否定から入る」習慣は、自分自身の心や身体を固めてしまう一因になることがあります。 ここでは“否定からの一言”を切り替える小さな工夫を紹介します。 心理学から見る「否定の快楽」 心理学の研究では、否定は脳の「快楽系」を一瞬刺激すると言われています。 相手の意見にケチをつけることで、まるで自分が優位に立ったような感覚が得られるのです。 これは短期的には心地よくても、長期的には「共感回路」を働かせる機会が減り、他者や自分に共感しにくくなる傾向があります。 例えばネット上のコメント欄を覗くと、「揚げ足取り」や「反論合戦」が繰り広げられているのをよく目にします。 一瞬の満足感はあるものの、そこから新しい関係やアイデアが生まれることは少なく、むしろ閉塞感を強めるこ

タナカユウジ
2025年9月5日読了時間: 4分


ボックス呼吸(Box Breathing):短時間で「間」をつくる呼吸の整え方
呼吸に「間」をつくると、心も身体もほどけやすい 慌ただしい日々の中で、無意識に息を詰めていませんか。 肩が上がり、胸がせまくなり、落ち着かない——そんな時に役立つのが ボックス呼吸 です。これは「吸う → 止める → 吐く → 止める」を 同じ秒数 で繰り返す、とてもシンプルな呼吸法。短時間で、 心と身体に小さな余白(間) を取り戻す助けになります。 古代の叡智の再発見としての「ボックス呼吸」 ボックス呼吸の考え方は、古代インドのヨガに伝わる サマ・ヴリッティ(Sama Vritti) (等息呼吸)にルーツがあります。 サマ・ヴリッティは本来、 吸う息と吐く息を同じ長さ に保つ方法で、古典的なプラーナーヤーマでは 息を止める(クンバカ)を組み合わせることもあります。 ボックス呼吸は、この等息の考え方に吸った後・吐いた後の短い保持 を加え、四つの同じ長さの区間で呼吸を巡らせる現代的なバリエーションと捉えられます。 現代では、アメリカの軍隊やスポーツ選手、ビジネスの現場でも、ストレス下で落ち着きを取り戻す手段として広まりました。 米海軍・海兵隊の資料

タナカユウジ
2025年9月3日読了時間: 5分


“諦めモード”から“選び直し”へ:役割の自分から、本当の自分へ戻る小さな練習
はじめに──その静かな違和感は、サボりじゃない 朝の支度、終わらないタスク、誰かの期待。ふとした瞬間に「このままでいいのかな」と胸の奥がざわつく…その感覚は、怠けではありません。 心理学では、役割と自分自身が過度に重なった状態で起きやすい“諦めモード”のサインだと考えられます。 ここで扱いたいのは、「一気に人生を変える」話ではなく、“選び直し”を日常の単位で取り戻すための具体的な手がかり。 難しい理屈より、今日からできる小さな一歩を、身体と心の両面から示します。 なぜ人は“諦めモード”に入るのか──心理のしくみ 1) 役割同一化(ロール・フュージョン) 上司、親、“いい人”……。役割の自分が長く続くほど、「本当はどうしたい?」という内側の声が聞こえにくくなります。 役割は大切ですが、役割=自分の全部になってしまうと、選択感覚が摩耗します。 2) 先送りの正体は“恐れ” 「今はタイミングじゃない」「準備ができたら」…この言葉の背後に多いのは、失敗・評価・損失への恐れ。恐れは消えません。 けれど、方向を示す指標(インジケーター)として扱えば、行動の設

タナカユウジ
2025年8月29日読了時間: 6分


身体の左右差に気づき、整える習慣
鏡で自分を見たときに「肩の高さが違う?」「片足だけ重い?」と感じたことはありませんか?こうした“左右差”は、普段の生活習慣や身体の使い方のクセから生まれることが多いものです。 大切なのは「同じ動きを同じ回数やればバランスが取れる」という単純な話ではなく、 張りや疲労の強い側を少し多めに調整する という工夫です。 この記事では、左右差の考え方と実際の整え方について紹介します。 左右差はどうして生まれる? 日常の動作が積み重なることで、身体は自然に偏りを持ちます。 片方の肩にカバンを掛ける 足を組むときはいつも同じ側 立つときに片足に体重をかけがち 財布やスマホをいつも同じポケットに入れる こうした小さな繰り返しが、左右の筋肉の張りや関節の動きに影響し、結果としてバランスの崩れにつながります。 左右差は「悪いもの」ではなく、その人の生活の写し鏡でもあります。 最新の知見から見る左右差 近年のスポーツ科学や理学療法の研究では、左右差が大きいほどパフォーマンスの低下やケガのリスクにつながることが報告されています。 特に、片脚のバランスや筋力の差が大きい場

タナカユウジ
2025年8月27日読了時間: 4分
bottom of page