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みどり整体院
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猫背は、身体が守ってる「最後の砦」
冬の朝、肩をすくめて歩くと、背中は自然と丸くなります。 寒さだけではありません。忙しさや不安、人に見られる緊張でも、身体はそっと胸を閉じて自分を守ります。 猫背は、だらしなさの証拠ではなく、「安全を守る姿勢」でもあると私は考えています。 無理に伸ばす前に、その理由を聞いてあげる。そこから、自然に開いていく余地が生まれます。 猫背は、悪者ではありません。多くの場合、防御反応として形作られています。 無理に「直す」よりも、「ほどく」ことが大切です。 安心できる条件を整えると、背中は自然に開きやすくなり、姿勢は長く安定しやすくなります。 日常の動作や環境を少し見直すだけでも、その変化を感じる方が多いです。 整体現場でよくある質問 「猫背は直さないといけないですよね?」と聞かれることがよくあります。私はこうお伝えします。 「そうとも限りません。まず、なぜその形になっているのか身体の声を聞いてみましょう」 ある方の例です。デスクワーク歴が長く、人前で話す機会が増えた頃から背中が丸くなったと感じるとのこと。 施術では胸を無理に開かず、まず背中側のこわばりと首

タナカユウジ
11月15日読了時間: 6分


焦るほど、身体は遠ざかる : 東洋の知恵と“静けさの技術”
速く片付けたいほど手はもつれる。心が先へ走るほど身体は置いていかれる。 そんな経験はありませんか? 現代は「急げ」と「もっと」が常に背中を押す時代です。 焦りで高ぶった心は、いちばん頼りにすべき身体の感覚から私たちを切り離してしまいます。 今回は、東洋の知恵とシンプルなリズムづくりで「静けさを取り戻す」ための実践ガイドです。 ここでいう“東洋の知恵”とは、禅・道教・仏教などに共通する「力を抜き、今を感じる」生き方のこと。 無理に制御せず、自然の流れに合わせて心身を調える考え方を指します。 なぜ焦ると身体感覚が薄れるのか 東洋の思想では、「心と身体は同じ流れの中にある」とされます。 心が未来へ走ると、身体も自然とバランスを崩す。焦りは“気の乱れ”とも言い換えられます。 焦りは、心が未来へ走っているサインです。 「まだ起きていないこと」にエネルギーを使いすぎると、現在の感覚がかすんでしまいます。 足の裏の重みや息の深さなど、身体の声が聞こえにくくなるのです。 注意が未来へ逃げると、今この瞬間にある情報(体温、呼吸、姿勢)をキャッチできません。...

タナカユウジ
11月7日読了時間: 6分


思考を“整える力”に変える3つのステップ ─頭の中の渋滞をほぐす方法─
考えすぎる現代人へ 気づけば一日中、何かを考えている──。そんな方は少なくないと思います。 けれど、その多くは現実を整理する思考ではなく、頭の中をぐるぐる回る反芻です。 本来、思考とは現実を整えるための道具でした。 けれど、情報があふれる今の時代、思考はいつのまにか「心のノイズ」になってしまうことがあります。 ここでは、思考をもう一度「整える力」に変えるための3つの方法をお伝えします。 思考は「整理棚」に置く 悩んでいるときの頭の中は、散らかった部屋のようです。 考えごとや感情が床いっぱいに広がり、どこから手をつけていいか分からなくなることがあります。 そんなときに大切なのは、思考を止めようとするのではなく、 一度“外に出してみること”。 紙に書き出す、声に出す、歩きながら整理する──方法はどれでも構いません。 頭の中にだけ置いておくと、同じ思考を何度も繰り返してしまいます。 けれど、言葉にして外へ出すことで距離が生まれ、落ち着いて眺められるようになります。 言葉を“主語”から見直す 「なんであの人は」「どうして自分ばかり」──悩みの多くは、主語

タナカユウジ
10月31日読了時間: 3分


幸せを感じる身体の使い方:幸福は“スキル”である
幸せは「感じる力」から始まる 私たちはつい「幸せ=出来事」と考えがちです。 良いことが起きれば幸せ、悪いことが起きれば不幸せ。 しかし、実際の幸福感は“何が起きたか”ではなく、“どう感じ取れるか”で決まります。 その「感じ取る力」を支えているのが、じつは身体の状態です。 呼吸が浅く、肩に力が入りっぱなしのとき、どんなに嬉しいことがあっても心は追いつけません。 幸福は「環境」ではなく「習慣」で育つ。 そう考えると、幸せとは練習できるスキルの一つなのです。 幸せを感じにくいのは意志の弱さではない 「頑張ればもっと前向きになれるはず」「自分が弱いから落ち込むのだ」と考えてしまう人は多いですが、それは誤解です。 幸せを感じにくいとき、多くの場合、原因は“意志”ではなく“神経の働き”にあります。 私たちの神経系は、安心と警戒のスイッチを自動で切り替えています。 ストレスが続いたり、疲れが抜けないと、このスイッチが「警戒モード(交感神経)」のまま固まってしまう。 すると脳は常に外の刺激に備えており、喜びや感謝といった繊細な感情をキャッチしづらくなるのです。.

タナカユウジ
10月24日読了時間: 5分


心を支配しようとすると不安は増える──コントロール幻想から抜け出す「余白の心理学」
「落ち着け、落ち着け」と言い聞かせるほど、呼吸は浅くなり、肩まわりの力みが抜けなくなる。 身体の世界ではよくある現象です。心でも似たことが起きます。 コントロールしようとするほど不安定になる——この逆説をどう扱うかが、日々の過ごしやすさを左右します。 今回は、「支配」ではなく「流れを整える」という発想で、心の余白を取り戻す方法をまとめます。 ここでいう“整える”とは、我慢や努力で抑え込むのではなく、外から入る刺激を減らして、自分の中に静けさを戻すことを指します。 整えようとするほど、身体も心も固まる理由 がんばって姿勢を正そうとすると、首や肩が先に固まり、逆に呼吸が浅くなることがあります。 これは力み(過剰な筋緊張)が可動域を狭くするためです。 心にも似た現象が起きます。感情や思考を完璧に「制御」しようとすると、 失敗を過度に恐れて始めにくくなる(開始の可動域が狭くなる) 予定や数値の微調整に追われて疲れやすくなる(注意資源が目減りする) 小さなズレに敏感になり、不安が増えたように感じる 「コントロール=安全」という前提が強すぎると、かえってコン

タナカユウジ
10月17日読了時間: 4分


夜中に目が覚めても大丈夫:再び眠りに戻るための実践ノート
夜中にふっと目が覚めてしまうと、「また眠れなかったらどうしよう」と焦りが出て、ますます目が冴えてしまうことがありますよね。 そんなときに役立つのが、“ちょっとした工夫で脳と身体の緊張を落ち着ける方法”です。 この記事では、セルフケアとして取り入れやすい考え方と具体的な実践を...

タナカユウジ
10月10日読了時間: 5分


ストレスを笑いに変える力|ユーモアが生き抜く知恵になる理由
小さな失敗を笑えたとき 駅の階段でつまずいて顔が真っ赤になった経験。 誰にでもそんな「やらかし」はあります。 その瞬間は恥ずかしくても、後から友人に「思いっきり転んだのに誰も気づいてくれなかったんだよ」と笑い話にすると、不思議と気持ちが軽くなるものです。...

タナカユウジ
10月3日読了時間: 4分


一人の気分が場を変えるように、身体もつながっている
はじめに 職場や家庭で、誰か一人が不機嫌だと、周りの空気までどんよりしてしまうことがあります。 逆に、誰かの笑顔やひと言で場がふっと和らぐこともありますよね。 私たちはこうした「見えないつながり」の中で暮らしています。 実は、身体も同じです。肩・首・腰といったパーツは独立し...

タナカユウジ
9月23日読了時間: 4分


自分で選んだ感覚を取り戻す――合理性に流されない生き方
「正しいはずの選択をしているのに、なぜか心が満たされない」――そんな経験はありませんか? 本記事では心理学や哲学の視点を交え、合理的な“正しさ”に頼ることの限界と、自分で選んだ感覚がもたらす豊かさについて考えていきます。 正しさがくれる安心と、その副作用...

タナカユウジ
9月19日読了時間: 3分


ソマティック・ストレッチとヴェイガス神経:日常でできる3つのリラックス法
ソマティック・ストレッチとは? ソマティック・ストレッチは「身体を内側から感じること」を重視した、ゆったりとした動きのエクササイズです。 筋肉を強く伸ばすことや鍛えることが目的ではなく、自分の身体の感覚に気づき、無意識に入り込んだ緊張をほどいていくことを狙いとしています。...

タナカユウジ
9月15日読了時間: 4分


考える力を奪われていく社会で、自分の頭を使う習慣を取り戻す
現代の日本で急速に広がっている「自分の頭で考えられない人たち」。 SNSを開けば怒りや不安を煽る投稿ばかり。ニュースを見ても、何が事実で何が演出なのか分かりにくい。 気づけば、自分の意見は誰かの言葉の受け売りになっていて、それを疑うのも面倒くさいと感じる。——そんな経験、あ...

タナカユウジ
9月12日読了時間: 3分


否定から始まる癖が、心と身体を固めてしまう理由──共感を取り戻す小さなヒント
チャンネル登録いただけると嬉しいです。 否定から始めていませんか? 日常の会話やネットのやり取りで、こんな場面に出会ったことはありませんか?「でもさ」「いや、それは違う」と、とりあえず否定から入る。そんな癖は、無意識のうちに身についている人も多いものです。...

タナカユウジ
9月5日読了時間: 4分


ボックス呼吸(Box Breathing):短時間で「間」をつくる呼吸の整え方
呼吸に「間」をつくると、心も身体もほどけやすい 慌ただしい日々の中で、無意識に息を詰めていませんか。 肩が上がり、胸がせまくなり、落ち着かない——そんな時に役立つのが ボックス呼吸 です。これは「吸う → 止める → 吐く → 止める」を 同じ秒数...

タナカユウジ
9月3日読了時間: 5分


“諦めモード”から“選び直し”へ:役割の自分から、本当の自分へ戻る小さな練習
はじめに──その静かな違和感は、サボりじゃない 朝の支度、終わらないタスク、誰かの期待。ふとした瞬間に「このままでいいのかな」と胸の奥がざわつく…その感覚は、怠けではありません。 心理学では、役割と自分自身が過度に重なった状態で起きやすい“諦めモード”のサインだと考えられま...

タナカユウジ
8月29日読了時間: 6分


身体の左右差に気づき、整える習慣
鏡で自分を見たときに「肩の高さが違う?」「片足だけ重い?」と感じたことはありませんか?こうした“左右差”は、普段の生活習慣や身体の使い方のクセから生まれることが多いものです。 大切なのは「同じ動きを同じ回数やればバランスが取れる」という単純な話ではなく、...

タナカユウジ
8月27日読了時間: 4分


姿勢と環境を整える「ポスチャー・エルゴノミクス」
現代人の新しい課題 在宅ワークや長時間のデスクワークが日常化した現代、「座りっぱなし」は新しい健康課題として世界中で問題視されています。 欧米では(比喩として)“座りすぎは新しい喫煙(Sitting is the new smoking)”とも言われ、 姿勢 と 作業環境...

タナカユウジ
8月21日読了時間: 4分


座りすぎ時代の新習慣 ― 90秒の“マイクロブレイク”で身体をリセット
はじめに 在宅ワークやデスクワークの普及により、私たちの生活はこれまで以上に「座る時間」が長くなっています。 運動習慣がある方でも、長時間の座位が続くことで身体はじわじわと負担を蓄積していきます。 こうした背景から、海外の職業健康分野で注目されているのが、“マイクロブレイク...

タナカユウジ
8月16日読了時間: 4分


「ストイック」の本当の意味──古代哲学に学ぶ、揺るがぬ心のつくり方
はじめに:人生が揺らぐ瞬間 ある日突然、すべてが変わってしまう。仕事、家族、人間関係、健康… 私たちは「予想外」という嵐を避けて通ることはできません。そんな時、どう心を保つか。整体師として日々クライアントと接していても、心と身体の両方を揺るがす出来事に直面する人は少なくあり...

タナカユウジ
8月14日読了時間: 4分


医療と整体の歴史シリーズ 第7回 現代の整体と補完医療──科学と信念のはざまで(1900〜現代)
今回で一区切りとなります。 ▶︎ 第1回はこちら 👉 祈りと呪術から始まった医療(古代〜紀元前3000〜) ▶︎ 第2回はこちら 👉 古代文明に息づく“手当て”の知恵(エジプト・インド・ギリシャ) ▶︎ 第3回はこちら 👉 古代東洋医学の体系化と広がり...

タナカユウジ
8月11日読了時間: 6分


整体と医療の歴史 第6回 反動と復活——カイロ・オステオと“触れる医学”の再興(1800〜1900)
▶︎ 第1回はこちら 👉 祈りと呪術から始まった医療(古代〜紀元前3000〜) ▶︎ 第2回はこちら 👉 古代文明に息づく“手当て”の知恵(エジプト・インド・ギリシャ) ▶︎ 第3回はこちら 👉 古代東洋医学の体系化と広がり...

タナカユウジ
8月8日読了時間: 5分
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