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ゲームって身体に悪い?――整体整体的視点の“いい関係・よくない関係”

  • 執筆者の写真: タナカユウジ
    タナカユウジ
  • 6月8日
  • 読了時間: 5分

「ゲームは身体によくない」「目が悪くなる」「姿勢が悪くなる」――そんなイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。

実際、整体師として日々身体と向き合っていると、「ああ、これはゲームのやりすぎかな?」と思うような身体の状態に出会うこともあります。


でも、だからといってゲームを“悪者”にするつもりはありません。

私自身、ゲームとの付き合いは長いほうです。

ファミコン世代で、スーパーマリオやドラクエ、ファイナルファンタジーなどに夢中になり、長時間プレイしては親に怒られていたものです。


20代のころは初期オンラインゲーム『UO(ウルティマオンライン)』にどっぷりハマり、寝る間を惜しんでログインしていた記憶もあります。

いわゆる“ゲーム沼”の中にいた時期もありました。


そんな経験もあってか、ここ数年は、たまに話題のゲームに少しだけふれることはありますが、スマホの『ドラクエウォーク』をまったり楽しんでいます。

ジョギングやウォーキングのあとに「お、今日は何歩歩いたかな」と歩数を確認するのが、ささやかな楽しみです。


今回は、そんな私の視点から、「ゲームと健康」について、良い面・気をつけたい面・付き合い方の工夫をお話ししてみたいと思います。


ゲームの“いいところ”も見てみよう


まずは、整体師として見ていても「これは良い面だな」と感じることから。


・脳が喜ぶ「達成感」と「集中力」

ゲームは、目標を達成したときの快感や、試行錯誤の中で得られる集中状態(いわゆる"フロー体験")が特徴です。

これは心にとっての栄養ともいえるもので、適度に楽しむことで気持ちが安定したり、モチベーションが高まったりします。


・ストレス発散やリラックス効果

現実の疲れやストレスから少し距離をとって、仮想世界で“遊ぶ”ことが、気分の切り替えになったり、感情を整理する助けになることもあります。

ゲームの中でなら、自分のペースで進めることができる。それが心の安心感につながることもあるのです。


・動きを促すタイプのゲームもある

最近はARや体感型のゲームも増えています。

外に出て歩くタイプのゲーム(たとえば『ドラクエウォーク』など)は、運動のきっかけとしてもとても優秀です。

「ただの散歩」が「冒険」になる。これって、かなり前向きな変化ですよね。


・他者とのつながりができる

オンラインゲームや共闘型のアプリなど、ゲームを通じて誰かと協力したり、交流が生まれたりするのも、現代的な“癒し”のかたちのひとつです。

孤独感がやわらぐこともあるでしょう。



でも、やっぱり気をつけたいこともある


もちろん、身体の視点から見ると「ちょっと注意が必要だな」と思う面もあります。

海外では「ゲーム障害(Gaming Disorder)」という診断名が、2019年にWHO(世界保健機関)によって国際疾病分類(ICD-11)に正式に追加されています。

これは、ゲームを過剰に優先し、日常生活に支障をきたすような状態が12か月以上続く場合に診断されるものです。


日本でも、精神科などで「ゲーム障害」として相談されるケースは増えているようです。

ただ、正式な保険診療名としてはまだ一般化しておらず、依存症や神経症といった診断名のもとで対応されることが多いようです。

少しでも気になる場合は、専門機関に相談してみることも一つの方法です。

 

以下では、身体面で気をつけたいポイントを整理してみます。「ちょっと注意が必要だな」と思う面もあります。


・長時間の同じ姿勢

熱中すると、つい時間を忘れてしまいますよね。

ずっと座ったままで前かがみになることで、首・肩・背中・腰に負担がかかります。

とくに猫背や頭部前方位といわれる姿勢が長く続くと、呼吸が浅くなったり、内臓への影響も出やすくなります。


・目の疲れと睡眠への影響

画面を凝視する時間が長くなることで、目のピント調整機能が疲弊し、ドライアイなどの不調も出やすくなります。

さらに、夜遅くまでゲームをして交感神経が優位なままだと、寝つきが悪くなったり、眠りが浅くなったりすることもあります。


・“身体感覚”の鈍化

ここが整体師として一番気になるところかもしれません。

ゲームに夢中になるあまり、自分の身体の状態に“気づかなくなる”こと。

お腹が減っていること、姿勢がつらいこと、疲れていること――そういった感覚が後回しになってしまうことは、積み重なると心身のバランスを崩すきっかけになります。


整体師がすすめる“いい付き合い方”

ゲームと健康的につきあうために、簡単にできる工夫をいくつかご紹介します。


・タイマーでリズムを作る

たとえば「30分プレイしたら5分休憩」など、自分なりのサイクルを作ってみると◎。ちょっとした意識で、首や腰の負担をぐっと減らすことができます。


・肩・首・目をゆるめるセルフケア

休憩時間には、首を回したり、肩を上下に動かしたり、目をつぶって遠くをぼんやり眺めるなど、短時間でできる“ゆるめ”のケアを。

気づいたときに数秒だけでも、積み重なると変化が出てきます。


・寝る前は“現実モード”に戻す

布団に入る直前までゲームをしていると、身体も心も興奮したままになりがちです。

寝る30分前からは、なるべくスマホやゲーム機を手放して、「自分の呼吸」や「身体の感覚」に戻る時間を作ってみましょう。


ゲームは“悪”じゃない。ただ、“整える”意識は持っておきたい


ゲームは“楽しいもの”であっていいんです。ただ、夢中になれるからこそ、自分の身体が今どんな状態なのかに、少しでも目を向けておくこと。

それができるだけで、健康面のリスクはかなり減らせます。


ゲームの世界でも、身体の世界でも、共通しているのは「気づくこと」から始まるという点。

自分のリズムを守りながら、好きなものと上手に付き合っていくことは、ある意味“生き方のバランス”そのものかもしれません。

そしてそれは、整体で身体を整えることとも、とてもよく似ています。


中野区にあるみどり整体院では、身体のこわばりや緊張をやさしくゆるめるケアを行っています。ゲームやデスクワークなどの疲れを感じている方も、お気軽にご相談ください。


※本記事は、特定の症状や疾患の改善を保証するものではありません。

ご紹介している内容は、身体の感覚に意識を向けるヒントや、日常のセルフケアとしてご活用いただくことを目的としています。

医療行為ではなく、法令に基づく範囲で整体師の視点から発信しています。



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