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一人の気分が場を変えるように、身体もつながっている

  • 執筆者の写真: タナカユウジ
    タナカユウジ
  • 9月23日
  • 読了時間: 4分

はじめに

職場や家庭で、誰か一人が不機嫌だと、周りの空気までどんよりしてしまうことがあります。

逆に、誰かの笑顔やひと言で場がふっと和らぐこともありますよね。

私たちはこうした「見えないつながり」の中で暮らしています。

実は、身体も同じです。肩・首・腰といったパーツは独立しているようで、呼吸や姿勢、生活のリズム、気持ちの張り具合など、目に見えない要素と結び合いながら一つの「場」を作っています。


よくある思い込みをほどく: 「痛い所=原因」とは限らない

つらさを感じる部分が、そのまま原因とも限りません。たとえば、


  • 肩がつらい: 実は呼吸が浅く、胸まわりが硬くなっている影響を受けていることも。

  • 腰が重い: 足裏の使い方や骨盤の傾き、椅子の座り方が土台で崩れている場合も。

  • 首が固まる: 目線の高さや画面との距離、噛みしめの癖が関わっていることが多いです。


人間関係で「一人の緊張」が場全体に波及するように、身体でも「一部分の緊張」が全体の呼吸や姿勢に波及します。


人間関係の「見えない糸」を深掘り

職場や家庭を思い浮かべてみてください。

誰かがいつもより声のトーンを上げたり、ピリピリした雰囲気を出すだけで、周囲の人は自然と距離をとったり、話す内容を選んだりします。

逆に、誰かが穏やかに深呼吸して「大丈夫だよ」と一言伝えるだけで、全体の空気がふっと軽くなることがあります。

つまり、人と人との間には「見えない糸」が張り巡らされていて、その糸の張り具合が場の雰囲気を左右しています。

一人が緊張すれば糸全体がピンと張り、一人がゆるめば全体が波紋のように和らぐのです。

身体もまさに同じ仕組みを持っています。

肩だけ、腰だけを切り取って見ても、緊張は長続きしません。

全体の糸の張りを見直すことで、別の部位から力が抜け、それにつられて本当に気になる部分までラクさを感じやすくなるのです。


身体で起きている連動の例


「肩がつらい」の裏で起きがちなこと

  • 呼吸が浅く、胸郭が硬くなり、肩で息をしがち

  • 目線が下がり、首の前側に負担が集中

  • マウス側の前腕が張って、肩甲骨が動きにくい


「腰が重い」の裏で起きがちなこと

  • 足裏の荷重がかたより、骨盤が後ろへ倒れがち

  • 長時間座位で股関節の前側が硬くなる

  • 呼吸が浅く、背中が丸まって腹圧が保ちにくい


「首が固まる」の裏で起きがちなこと

  • 画面の高さが合わず、あごが前へ出る

  • 噛みしめ・歯ぎしりであご周りが緊張

  • 胸や背中の硬さで、首だけ余計に頑張る


ポイント: どれも単独の原因ではなく、日々の積み重ねと「つながり」が形を作っていきます。


全体を整えるための見立て

次のような「全体の流れ」を要所で確認し、無理のない範囲で「糸の張り」を整える方向づけを行います。

  • 呼吸: 胸・背中・みぞおちが同時にひらくか/肩で息をしていないか

  • 足-骨盤: 足裏の荷重/膝とつま先の向き/坐骨で座れているか

  • 胸郭-肩甲帯: 肩甲骨が前後左右へ小さく動く余地があるか

  • 首・あご・舌: 噛みしめの癖/舌の位置/あご先の力み

  • 目線と作業環境: 画面の高さ/椅子と机のバランス/腕の休ませ方

  • 時間の使い方: 連続作業の長さ/小休止の入れ方


全体を整える3つの習慣

1) 60秒の「横隔膜リセット」

椅子に深く座り、みぞおちを軽く指で触れます。息を吐く時間を少し長めに(例: 4秒吸って6秒吐く)。胸・背中・みぞおちが一緒にひらく感覚を探す。1分でOK

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2) マイクロブレイク(90秒)

  • 足裏で床を感じる(かかと・母指球・小指球)

  • 坐骨で座面を感じる(骨盤を前後に1〜2回ゆらす)

  • 頭のてっぺんを軽く上に伸ばし、あご先の力をほどく

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3) 一日の「ハイライト&ローライト」メモ

今日いちばん気持ちが上がった瞬間(ハイライト)と、力が抜けた瞬間(ローライト)を各1行で書く。感情と身体の関係が見えやすくなります。

目的: 部分ではなく全体の「場」を整えるための小さな習慣。続けやすい形でどうぞ。


まとめ

人間関係で一人の表情が場の空気を変えるように、身体でも一部がゆるむと、全体の流れが変わることがあります。

部分に目を凝らしつつ、同時に全体を見渡す。

この二つの視点が、日々のセルフケアを楽にしてくれます。

みどり整体院(中野区・南口エリア)では、こうした「全体を見る」考え方をベースに、お一人おひとりの生活に合わせた提案を行っています。

ご相談は無理のない範囲でどうぞ。


※本記事は一般的な情報の提供を目的としたものであり、特定の症状に対する効果を保証するものではありません。医療行為や診断が必要な場合は、適切な医療機関へのご相談をご検討ください。

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