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それは“クセ”じゃなく、“防御反応”かもしれない〜身体と心の記憶に気づくために〜

  • 執筆者の写真: タナカユウジ
    タナカユウジ
  • 5月8日
  • 読了時間: 4分


「また肩に力が入ってるな」「なんでこんなに呼吸が浅いんだろう」「自分って、本当に緊張体質だな…」

そんなふうに、自分の身体の“クセ”に気づいたとき、無意識のうちに自分を責めてしまっていませんか?

でも、私は整体師として思うのです。それは“悪いクセ”ではなく、“防御反応”かもしれない。

言い換えれば——かつて、あなたが自分を守るために、必要だった反応が、いまも身体に残っているだけかもしれません。

今回は、そんな「身体と心の防御反応」について、少し深く、やさしく、触れていきたいと思います。


身体が“無意識にやっていること”

“防御反応”とは、身体や神経が「危険から身を守ろう」と反応すること。たとえば——


  • 大きな音にビクッとする

  • 寒さで肩がすくむ

  • 緊張で呼吸が止まる

  • 不安なとき、お腹にグッと力が入る


これらはすべて、無意識で起こる防御の反応です。意志ではなく、反射的に起きるものであり、私たちの命を守ってきた仕組みでもあります。


“過去の防御”が“今のクセ”になっていることがある

問題は、それが慢性的に続いてしまうこと。

たとえば——昔、何度も怒られていた人は、怒鳴り声に敏感になります。

人前で傷ついた経験がある人は、首や背中を固めるクセがつくかもしれません。

こうして、「もう危険はない」のに、身体はまだ“過去の緊張モード”から戻れていないことがあるのです。

それが、現代の生活で“肩こり”や“呼吸の浅さ”といった形で現れることもあります。


整体の現場で見える“記憶としての身体”

整体では、筋肉や関節のこわばりを扱いますが、ただ物理的に固いわけではなく、「理由のあるこわばり」がほとんどです。

たとえば、肩をやさしくほぐしていると、「なんだか、胸の奥がざわざわするような気がする」とおっしゃる方もいます。

それは、もしかすると——昔感じた不安や怒りが、まだ解けきっていない身体の記憶かもしれません。


感情は、筋肉にしまい込まれることがある

これは心理カウンセリングの現場でも共通して言われることですが、感情は時に、言葉ではなく身体に“格納”されることがあります。

泣きたいのに泣けなかったとき、怒りを飲み込んだとき、安心して深呼吸できる場所がなかったとき。

そんなとき、身体はその感情ごと緊張を抱えてしまうのです。「胸の奥につかえがある」「のどがつまる感じがする」なども、心理的な背景が関係していることがあります。


では、どうすればいい?

ここで大事なのは、無理に「ほぐそう」「治そう」としないこと。

むしろ——「そうだったんだね」と、気づいてあげること。

防御反応は、自分を守るために起きた“愛ある行動”です。だからこそ、まずはその存在を否定せず、尊重してあげることから始めてみましょう。


やさしいセルフケア:観察から始める“対話”

防御反応として残るこわばりに向き合うには、まず“観察する”ことから始めるのがおすすめです。


1. 気づく

いま、どこに力が入っている?呼吸は浅い?足は冷たい?身体の声に静かに耳を澄ませてみます。


2. ゆっくり触れる

肩やお腹に手を当てて、ただ息をしてみる。「よくがんばってきたね」と声をかけるように触れてみてください。


3. ほどけていくのを待つ

すぐに変化を感じなくても大丈夫。身体は“見てくれる人がいる”とわかるだけで、安心しはじめます。


こわばりは、あなたを守った名残

身体の緊張は、すべて「悪者」ではありません。それは時に、あなたがあなたを守った痕跡でもあります。

だからこそ、責めずに、戦わずに、ただ「気づいてあげる」ことから始めてみてください。

それがきっと、心と身体が少しずつ“安全な場所”に戻っていく第一歩になると思います。


ご案内

もし、自分ではうまくほどけないと感じる時には、ぜひプロの手を借りることも、ひとつの選択肢です。

みどり整体院では、心と身体がつながる“気づきの場”として、一人ひとりのペースに合わせたお手伝いを大切にしています。

お気軽にお問い合わせください。




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