腰まわりの違和感について ~腸腰筋との関係を探ってみる~
- タナカユウジ

- 4月14日
- 読了時間: 4分
更新日:4月22日
腰の違和感のカギは腸腰筋?|“座り方”と“呼吸”から変わる身体のバランス
「腰まわりがなんとなく重い」「夕方になるとつらさを感じる」——そんな感覚に、ふと気づいたことはありませんか?
一口に“腰の違和感”といっても、背景にはさまざまな要因が関わっていることがあります。
背骨や椎間板の状態、内臓の影響、姿勢や動きのクセ、さらにはストレスなど、心と身体の両面からの影響もあるかもしれません。
今回はその中でも「腸腰筋(ちょうようきん)」という筋肉に注目し、整体的な視点から身体のバランスについてご紹介してみたいと思います。
腸腰筋とは?——姿勢と動作の“要(かなめ)”
腸腰筋とは、「腸骨筋」と「大腰筋」をあわせた呼び名で、
腰椎(腰の骨)から骨盤を通り、太ももの内側につながっている深層筋のひとつです。

この筋肉には、以下のような役割があるとされています:
足を持ち上げる(股関節を曲げる)
上半身と下半身をつなぎ、姿勢を保つ
歩行や階段の昇り降りといった動作に関わる
中でも、「骨盤と背骨を安定させる」という点が、姿勢のバランスと関わると考えられています。
ただ、腸腰筋は日常生活の中で意識されにくく、無意識のうちにこわばりやすい傾向があるようです。
座りすぎによる腸腰筋への負担とは?
現代の生活では、長時間のデスクワークやスマホ操作などで「座っている時間」が長くなりがちです。
この“座っている”という状態が続くと、腸腰筋は短く縮んだままになり、柔軟性を保ちにくくなるといわれています。
その結果、骨盤の位置が変わりやすくなり、姿勢の崩れや腰まわりの負担を感じやすくなることもあるようです。
実際、整体の現場でも「腰に違和感がある」と話される方の中には、腸腰筋のあたりに張りやこわばりを感じるケースがあります。
腸腰筋をやさしく整えるためのセルフケア3選
腸腰筋の緊張をやわらげるために、日常生活に取り入れやすいセルフケアを3つご紹介します。
すべての方に当てはまるものではありませんが、ご自身の身体と向き合うきっかけになれば幸いです。
1. 骨盤を立てる座り方を意識する
まず取り入れやすいのが、日常の「座り方」を見直すことです。
椅子に座るとき、骨盤が後ろに倒れて背もたれに寄りかかるような姿勢になっていませんか?この状態では腸腰筋が縮んだまま固定されやすくなります。

◎ポイント:
椅子に浅めに腰かける
背筋を伸ばし、骨盤を前に起こす(仙骨を立てる)
骨盤の角度が整うと、自然と背筋がスッと伸びることもあります
「いい姿勢を保とう」と頑張るよりも、骨盤の位置を意識することで、楽に過ごせることがあります。
2. 腸腰筋のやさしいストレッチ
腸腰筋をやさしく伸ばすストレッチもおすすめです。
◎一例:
片膝を立てて前に出し、反対の脚は後ろに伸ばして床につける
骨盤を正面に向けたまま、上体を少し前に傾ける
股関節の前側がじんわり伸びる感覚を味わう

※ 痛みや違和感を感じる場合は、無理をせず、ご自身の身体の声を優先してください。
3. 腹式呼吸で内側からゆるめる
呼吸の深さと身体の緊張には、関係があるとされています。
忙しさやストレスで呼吸が浅くなると、身体全体もこわばりやすくなることがあります。
◎シンプルな方法:
仰向けに寝る、またはリラックスして椅子に座る
鼻からゆっくり息を吸い、お腹をふくらませる
口から静かに吐きながら、お腹をへこませる
数分間、呼吸を丁寧に繰り返すことで、身体がゆるんでくる感覚が生まれることもあります。
腸腰筋を意識することで見える“気づき”
腸腰筋に目を向けてケアしていく中で、「立ち上がりが楽に感じた」「歩くときの足取りが軽い」「呼吸がしやすくなった」といった変化を感じる方もいらっしゃいます。
ただし、こうした変化には個人差があり、すべての方に当てはまるわけではありません。
「腰が悪い」という見方だけでなく、「うまく働けていない筋肉があるのかもしれない」と視点を変えてみることで、身体との新しい付き合い方が見えてくるかもしれません。
おわりに|腰の声を、聞いてみる
今回は「腸腰筋」という筋肉をテーマに、腰の違和感との関係性を探ってみました。
もちろん、腰まわりの不調の背景には、筋肉の状態・姿勢のクセ・日常の習慣・心の状態など、さまざまな要素が複雑に関わっていると考えられます。
みどり整体院では、そうした多面的な視点を大切にしながら、ひとりひとりの身体に寄り添う時間を心がけています。
「なんとなく腰まわりが気になる」「ストレッチしてもすぐ戻る感じがある」そんなときは、お気軽にご相談ください。
そして今回ご紹介した3つのセルフケアも、可能な範囲でぜひ試してみてください。小さな気づきが、身体や心のバランスを整えるヒントにつながることもあります。
ご覧いただき、ありがとうございました。



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