自分を責めてしまう人の身体に見られる特徴とは?
- タナカユウジ

- 7月4日
- 読了時間: 4分
「私が悪かったのかもしれない」「もっとちゃんとできたはずなのに」そんなふうに、つい自分を責めてしまう方は少なくありません。
心理的な傾向として語られることが多いこの“責めグセ”ですが、実は、身体の状態にもある種の“共通点”が見られることがあります。
整体の現場でたびたび出会う、そうした方々の身体には、どこか共通する“こわばり”や“緊張”のクセが見られるのです。
今回は、「自分を責めやすい人の身体の特徴」というテーマで、心と身体のつながりをやさしく紐解いていきたいと思います。
責めやすい人の“こころの傾向”と身体のつながり
心理学の世界では、「自分を責める傾向」は“スキーマ”という考え方で説明されることがあります。
スキーマとは、これまでの経験や環境、人間関係の中で形成された「自分とはこういう人間だ」「人はこういうものだ」といった、無意識レベルの“思い込み”や“前提”のようなものです。
それは、いつの間にか自分自身に貼ってしまった“レッテル”のようなものであり、ちょうど無意識に装着している“心のメガネ”のように、世界の見え方に影響を与えています。
たとえば、厳しい親のもとで育ち、「ちゃんとしなければ認められない」と感じていた人は、「完璧でなければダメ」「失敗した自分は価値がない」といった“自己への厳しさ”を内面に持ちやすくなります。
このようなスキーマは、日々の人間関係や仕事の中でも無意識に働き続け、小さな出来事でも「自分が悪かったのでは」と反応しやすくなってしまうのです。
そして、この“責めグセ”は心の中だけにとどまらず、たとえば「うまくいかないときに無意識に身体を縮めてしまう」など、日常の中で繰り返される“身のこなし”にもあらわれてくることがあります。
たとえ本人が意識していなくても、「緊張しやすい場面で背中を丸める」「ため息を飲み込む」など、そうした身体の使い方が、次第にクセになっていくこともあるのです。
整体の現場で感じる“責めグセ”の身体的特徴
整体の現場で、「自分を責めやすいタイプ」の方に共通して見られる身体の特徴があります。
もちろん個人差はありますが、いくつかの傾向が浮かび上がってくるのです。
まず多いのが、「肩がすくみやすい」「首がつまるような姿勢」。
日常的に緊張感を抱えている方ほど、無意識のうちに首や肩まわりに力が入りやすくなります。
また、「胸が閉じている」「呼吸が浅い」といった特徴もよく見られます。
胸が内側に入り込み、肋骨まわりの動きが小さくなると、呼吸が浅くなり、その結果、自律神経も乱れやすくなる傾向があります。
さらに注目すべきは「みぞおち〜お腹まわり」の緊張感。
責めグセのある方は、この部分が硬くなっているケースが少なくありません。
このあたりは、感情を抑え込んだり、不安や罪悪感を抱えやすい方に共通する“身体の反応”として現れることがあります。
また、こうした身体のこわばりが慢性化することで、「頭痛」「眼精疲労」「胃の不快感」「朝からだるい」「眠っても疲れが取れない」などの症状を訴える方も少なくありません。
身体の緊張が“いつもの状態”になってしまうと、それがストレスの土台となり、さらに自分を責めやすくなる――そんな悪循環に陥ってしまうこともあるのです。
どれも一見、見過ごされやすい身体のクセですが、こうした小さな積み重ねが、心の状態とも静かにつながっていることがあるのです。
心が変わるのを待つより、身体から整えるという視点
「自分を責めすぎてつらい」「気持ちが沈みがち」そんなとき、私たちは“心の問題”としてとらえがちです。
もちろん、考え方のクセに気づいたり、心理的な支援を受けることはとても大切なことです。
ただ、同時に「身体」という入り口からアプローチする方法もあります。
たとえば、力が入りやすい肩やお腹をゆるめていく。
呼吸の深さを取り戻す。背すじを軽く伸ばし、胸まわりにひと呼吸分のスペースをつくる。
そんな小さな“ゆるみ”や“ひらき”が、心にも静かに影響を与えていくことがあります。
心が整ってから身体が変わるのではなく、身体が整っていくことで、心の感じ方も少しずつ変わっていく。
私自身、中野区にある「みどり整体院」で日々多くの方の身体に触れながら、こうした心と身体のつながりを感じる場面にたびたび出会っています。
ここで書いた内容は、そうした臨床の中で得られた気づきをもとにまとめたものです。
整体を通じて、そんな“めぐり”を後押しできればと考えています。
※本記事は、法令・ガイドラインに配慮し、一般的な傾向や施術者としての体験に基づいて執筆しています。内容は個人の状態によって異なりますので、参考情報としてご覧ください。




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