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血流が悪くなる原因とは?“めぐり”を整える身体の使い方

  • 執筆者の写真: タナカユウジ
    タナカユウジ
  • 2025年6月26日
  • 読了時間: 10分

更新日:8月19日

※動画は記事公開当時の内容です。現在の内容に合わせ、本文は一部更新しています。

長く椅子に座っていたあと、立ち上がって少し歩くと身体が軽く感じる。

寒いところから暖かい部屋へ入ると、手足の感覚が変わる。

運動をしたあとは身体が温かくなる。


私たちが普段「血流」や「めぐり」と呼んでいるものは、このように身体の状態や活動によって変化しています。


そのため、血流が気になったときに「どうすれば血流を良くできるのか」だけを考えると、少し話が単純になってしまいます。

血液の流れは、心臓の働きや血管の状態、自律神経、身体活動など、さまざまな仕組みと関係しながら調節されています。


今回は「血流を良くする方法」を並べるのではなく、なぜ身体を動かすことや同じ姿勢を続けないことが大切なのかというところから、身体の“めぐり”について考えていきます。



血流は一つの原因だけで決まらない


「血流が悪い」という言葉は日常的によく使われます。

ただ、身体の中では一本のホースのように血液が流れているわけではありません。


心臓から送り出された血液は動脈を通り、細かな血管を経て身体の各部へ運ばれ、静脈を通って戻ってきます。

その流れは、身体が今どのくらい活動しているのか、どの組織が酸素や栄養を必要としているのかといった状況によっても変わります。


血管も常に同じ太さではなく、身体の状態に応じて調節されています。

つまり、血流だけを身体から切り離して考えることはできません。


運動したときに身体が温かくなるのも、入浴後に皮膚が赤く見えることがあるのも、そのときの身体の状態に応じて循環が変化しているためです。


ですから「血流はすべての不調の原因」と考えるのも、「血流さえ良くすれば身体が整う」と考えるのも単純化しすぎです。


血流を見るなら、その人が普段どのように身体を使っているのかまで一緒に考える必要があります。



座りっぱなしのあとに身体を動かしたくなる理由


デスクワークや長時間の移動などで同じ姿勢が続いたあと、無意識に伸びをした経験はないでしょうか。


立ち上がって歩きたくなったり、肩を回したくなったりすることもあります。

これは「座っていること自体が悪い」という話ではありません。

同じ姿勢が長く続けば、それだけ身体を大きく動かす機会が少なくなります。


歩いているときには股関節、膝、足首などが繰り返し動き、脚の筋肉も使われます。

しかし座った状態では、そのような動きはかなり小さくなります。

特に脚では、筋肉の収縮が静脈血を心臓へ戻す働きを助けています。


そのため、長く同じ姿勢で過ごしたあとに少し歩いたり脚を動かしたりすることには、「運動をしなければならない」という以上に、普段止まっていた動きをもう一度使うという意味があります。



ふくらはぎが「第二の心臓」と呼ばれる理由


血流について調べると、ふくらはぎが「第二の心臓」と呼ばれているのを見かけることがあります。

もちろん、本当に心臓と同じ働きをしているわけではありません。


ふくらはぎの筋肉が収縮すると、脚の静脈を流れる血液が心臓の方向へ戻る働きを助けます。

歩行などで筋肉の収縮と弛緩が繰り返されることで、この仕組みが働きます。


ここで大切なのは、「ふくらはぎを揉めば血流が良くなる」と単純に置き換えないことです。

歩く、足首を動かす、立ち上がるといった普段の動作そのものが、脚の筋肉を使う機会になっています。


ふくらはぎと身体のめぐりについては、ふくらはぎの働きとセルフケア|むくみ・だるさを感じたときの見直しポイントでも詳しく取り上げています。



「動かない」と「関節を使わない」はつながっている


同じ姿勢が続く影響を考えるとき、筋肉だけでなく関節の動きにも目を向けたいところです。

一日中座っていたとしても、関節が完全に動いていないわけではありません。


ただし、毎日使う動きの範囲が似てくると、肩を大きく上げる、股関節を大きく動かす、深くしゃがむといった動作をする機会は減っていきます。


久しぶりに身体を大きく動かしたとき、「前より硬くなった」と感じることがあるのは、このような普段の身体の使い方も関係しています。


関節の動きについては、関節が硬くなる原因とは?動かさないリスクとやさしい整え方で詳しく整理しています。

血流の記事と関節の記事は別のテーマですが、「身体を動かす機会が少なくなっていないか」というところではつながっています。



身体が冷えることと「血流が悪い」は同じなのか


手足が冷たいと、「血流が悪いのかな」と考える方もいるでしょう。

確かに皮膚の血流は温度調節と関係していますが、手足が冷たく感じる理由をすべて「血流が悪い」の一言で説明することはできません。

寒い環境では、身体は熱を逃がしにくくするために皮膚付近の血管を収縮させることがあります。


これは身体が状況に合わせて行っている調節の一つです。

そのため「冷たい=身体がおかしい」「温かい=健康」と単純には判断できません。


自分の身体がどのような場面で冷たく感じるのか、身体を動かしたあとにはどう変わるのか。

そのように状況ごとに観察した方が、身体について考える材料は増えていきます。



緊張すると身体の状態も変わる


血管の調節には自律神経も関係しています。

緊張した場面で手が冷たくなったり、逆に顔が熱く感じられたりすることがあります。

人前で話すとき、時間に追われているとき、突然驚いたときなど、身体はその場面に応じてさまざまな反応を起こします。


ただし、ここでも「ストレス=血流が悪くなる」「副交感神経=血流が良くなる」という単純な図式にはしない方がよいでしょう。

自律神経は心拍や血管、消化など多くの働きの調節に関わっており、身体の部位や状況によって反応も異なります。


大切なのは、自律神経を自分の意思で直接操作しようとすることではなく、緊張しているときに身体がどう変わっているのかを知ることです。


自律神経と身体が休みにくい状態については、迷走神経(ヴェイガス神経)とは?身体が休めない理由と整え方でも詳しく取り上げています。



呼吸は「血流改善法」として考えない


以前の記事では、めぐりを整える方法として深呼吸を紹介していました。

しかし現在は、もう少し慎重に考えています。

呼吸は身体にとって重要な働きですが、「深呼吸をすれば血流が良くなる」と単純に結びつける必要はありません。


むしろ注目したいのは、呼吸を通して自分の身体の状態が見えやすくなることです。

忙しく作業をしているときには呼吸が小さくなっていたり、集中していると無意識に息を止めていたりすることがあります。


そのとき肩や胸、お腹にも力が入っているかもしれません。

一度作業を止めて立ち上がり、普通に呼吸をしながら少し歩いてみる。

すると、「ずっと同じ姿勢だった」「肩に力が入っていた」と気づくことがあります。


呼吸を血流を変えるためのスイッチとして扱うのではなく、自分の身体の状態へ目を向けるきっかけとして使う。

そのくらいの距離感が、日常では取り入れやすいと思います。



「血流を良くするため」に頑張りすぎなくていい


健康について調べていると、身体のためにやることが次々に増えていきます。

毎日ストレッチをする、決まった回数運動する、身体を温める、呼吸を整える。

もちろん、自分に合った運動習慣を持つことは大切です。


ただ、「血流を良くしなければ」と考えて、さらに身体へ課題を増やす必要はありません。

たとえば一時間ほど座っていたことに気づいたら、一度立って別の部屋へ行く。


エレベーターだけでなく、無理のない範囲で階段を使う。

近い場所なら少し歩く。

テレビを見ながら足首を動かしてみる。


こうした行動も身体を動かす機会になります。


特別な健康法を追加するというより、生活の中から消えてしまった小さな動きを戻していく。

血流やめぐりについて考えるときには、この視点を大切にしたいところです。



一時的に温まることと、身体の使い方を見直すこと


冷えや身体の重さを感じたとき、温かいお風呂に入ったり、身体をほぐしたりすると心地よく感じることがあります。

そうした時間を否定する必要はありません。


ただ、一時的に身体が温かくなったことと、普段の身体の使い方が変わったことは別です。

毎日長時間座っているのであれば、お風呂から上がった翌日にはまた同じ生活が始まります。


肩をほぐして気持ちよくなっても、その後何時間も同じ姿勢でパソコンを使えば、身体の使い方は元に戻ります。

だからこそ、「何をすれば血流が良くなるか」だけではなく、「普段どのくらい身体を動かしているか」を振り返る意味があります。


健康のための特別な時間だけを見るのではなく、残りの一日を身体がどう過ごしているか。

そこに目を向けると、“めぐり”という言葉も少し違って見えてきます。



整体では「血流を良くする」とは考えない


みどり整体院では、施術によって血流を改善するといった説明はしていません。

整体で血流そのものを診断したり、医学的に評価したりすることもできません。


施術で見ているのは、姿勢や身体の動き、筋肉の緊張、呼吸をしているときの身体の使い方、左右差などです。


たとえば肩まわりが気になる方でも、肩だけを見るとは限りません。

背中の動きが小さくなっていることもあれば、長時間座る生活によって股関節や脚を動かす機会が少なくなっていることもあります。


身体は部位ごとに独立して生活しているわけではありません。

だから整体でも「ここを押せば血流が良くなる」と考えるより、身体全体がどのように使われているのかを確認していきます。



ホースの例えは、少しだけ注意が必要


以前のこの記事では、身体をホースに例えていました。

ホースがねじれていれば水が流れにくくなり、ねじれを取れば流れやすくなる。

直感的には、とても分かりやすい例えです。


ただ、人の身体はホースほど単純ではありません。

血管には自ら収縮・拡張する仕組みがあり、心臓が血液を送り出し、身体の必要に応じて循環が調節されています。


そのため「身体の歪みを取れば血液が流れる」という意味には受け取らないでください。

この例えから残したいのは、無理に何かを流そうとするより、身体全体の状態を見るという考え方だけです。


分かりやすい例えほど、ときどき働きすぎます。

身体はホースより、ずっと複雑です。



血流が気になるときに見直したい日常


血流やめぐりが気になったとき、最初から特別な方法を探さなくても構いません。

まず振り返ってみたいのは、一日の過ごし方です。


朝から夕方まで、どのくらい座っているでしょうか。

歩く時間はあるでしょうか。

肩や股関節、膝、足首を、日常の中でどのくらい動かしているでしょうか。


ここで細かなチェック表を作る必要はありません。


「今日はほとんど椅子から動いていなかったな」と気づけば、一度立って少し歩く。それくらいでも、同じ姿勢を続ける時間を区切ることができます。


身体を整えることを特別なイベントにせず、普段の生活の中へ小さく戻していく。

その方が長く続けやすいはずです。



おわりに


血流は、身体の一か所だけを見て説明できるものではありません。

心臓や血管の働きだけでなく、身体活動、自律神経、体温調節など、さまざまな仕組みが関わりながら、そのときの身体に必要な循環が調節されています。


だからこそ、「血流を良くしなければ」と血流だけを追いかけるより、普段の身体の使い方を見直してみる。

長く座っていたら立つ。少し歩く。使っていなかった関節を無理のない範囲で動かす。

そんな日常の動きも、身体の循環を考えるうえで大切な要素です。


みどり整体院でも、「血流を良くする」という結果を約束するのではなく、今の身体がどのように使われているのかを一緒に確認することを大切にしています。


「めぐり」という少し曖昧な言葉を、何となく良いものとして追いかけるのではなく、自分の身体が一日をどう過ごしているのかを見る。

そこから始める方が、身体について具体的に考えやすくなるのではないでしょうか。



※本記事は、血流や身体の循環について一般的な情報を紹介するもので、個別の状態の診断や治療、特定の効果を目的としたものではありません。手足の急な腫れや痛み、皮膚の色の明らかな変化、息苦しさ、胸部の症状などがある場合は、整体で様子を見ず医療機関へご相談ください。



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