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関節は“動かしてこそ”元気になる

  • 執筆者の写真: タナカユウジ
    タナカユウジ
  • 6月19日
  • 読了時間: 5分

関節は“動くため”にある


私たちの身体には、200以上の関節が存在します。

指を曲げたり、歩いたり、顔を向けたりする動きのすべてに、関節の働きが関わっています。

関節とは、ざっくり言えば「骨と骨のつなぎ目」ですが、実際にはその周囲にある関節包や靭帯、筋肉、筋膜なども含めて、ひとつの“動きのユニット”として機能しています。

つまり、関節は「動くこと」を前提に作られた構造なのです。


動かさないとどうなる?


関節を使わない状態が続くと、どうなるのでしょうか。

近年の研究では、関節の不動状態が軟部組織に与える影響が詳細に明らかになってきています。


たとえば、Yoshiharaら(2014年)の動物実験では、わずか2週間の固定によって関節包が線維化し、滑膜の血流が低下、関節可動域が著しく減少することが確認されました。

また、別の研究(Trudel et al., 2012)では、筋膜や靭帯が短縮・癒着し、可動性の回復に長期間を要することが示されています。(※1)


さらに、MRIやエラストグラフィー(組織の硬さを可視化する技術)によって、動かさないことが筋・腱・靭帯の弾力性そのものに影響を与えるというデータも蓄積されています。

つまり「関節を動かさない状態」は、単なる“休ませている”状態ではなく、組織そのものの質を変えてしまうリスクをはらんでいるのです。


(※1)Yoshihara et al. “Immobilization-induced joint contracture: an experimental study”, Journal of Orthopaedic Research, 2014.



これは、機械の油が切れて錆びついてくるのと似ています。

とくに多いのは、


  • デスクワークで肩や首を固めがち

  • スマホを見続けているうちに背中が丸まり、股関節が動きづらくなる

  • いつの間にか、あぐらや正座がつらくなっている


こうした「日常のなかの小さな硬さ」が、やがて痛みや違和感、動きの制限となってあらわれてきます。


セルフチェック:あなたの関節、さびついていませんか?


ご自身の関節の状態を、簡単にチェックしてみましょう。


  • 首を左右にゆっくり倒したとき、どちらかに引っかかり感がある

  • 肩をぐるっと回すと、ゴリゴリと音が鳴る

  • 深くしゃがみ込んだとき、膝や股関節に違和感がある

  • 手首や足首を回したとき、可動域が左右で違う


これらの動作に少しでも「引っかかる」「動かしにくい」「痛い」などを感じたら、それは関節が“サビつき”はじめているサインかもしれません。

ただし、急に動かすと逆に痛めてしまうこともあるので、まずは呼吸とともにゆっくりとした動きを試してみてください。

整体でのアプローチと“気づき”の変化についても触れておきましょう。


整体でのアプローチと“気づき”の変化


みどり整体院では、関節そのものを無理に「矯正する」のではなく、関節のまわりにある筋肉や筋膜、呼吸や重心のバランスなどに丁寧にアプローチしていきます。

たとえば肩の関節が動かしづらい場合、実際には胸や背中、さらには骨盤や足首の緊張が関係していることも少なくありません。

こうした「全身のつながり」をみながら調整していくことで、結果的に関節がスムーズに動くようになるケースが多く見られます。


施術では、まず呼吸や重心のクセ、筋肉の左右差などを観察し、必要であれば関節まわりの筋膜をやわらかく緩めていきます。

とくに大切にしているのは、クライアント自身が「どう動いているか」「どこに力が入りやすいか」に気づいてもらうことです。

こうした“気づき”が生まれることで、「今までなんとなく使いづらかった動き」が少しずつ自然になっていく感覚が育まれていきます。


クライアントさんの中にも、「可動域が広がったことで深呼吸がしやすくなった」「日常の動きが楽になり、自信が持てるようになった」といった変化を感じた方がいらっしゃいます。

関節が再び“使える”ようになることで、動きの自由さだけでなく、気分や表情まで柔らかくなることがあるのです。


関節の柔らかさが「心のゆとり」になる


関節は、ただの“骨のつなぎ目”ではなく、「動きに余白をつくる場所」でもあります。

たとえばドアの蝶番が固まっていたら、無理に開け閉めしようとしてギシギシ音が鳴ったり、うまく動かなくなったりします。

それと同じように、私たちの身体でも、関節に“余裕”があることで滑らかな動きが可能になります。


この“余裕”は、身体だけでなく心にも影響します。

関節が固くなると、全体の動きがぎこちなくなり、知らないうちに呼吸が浅くなったり、緊張しやすくなったりします。

一方で、関節がゆるみ、滑らかに動くと、呼吸もしやすくなり、身体に“ゆとり”が生まれてきます。

そしてその身体のゆとりは、まるで心のゆとりのように作用してくれることがあります。

「ちょっとイライラしていたけど、身体を動かしたら落ち着いた」 「深呼吸してみたら、頭がすっきりした」 そんな経験がある方は、きっとこの“関節と心のつながり”をすでに体験しているのかもしれません。


おわりに


関節は、ただ動かすだけのパーツではなく、私たちの身体と心の“ゆとり”をつくる大切な存在です。

日々の生活の中で、つい後回しにしがちな関節のケア。

でも実は、「よく動かす」「気づいてあげる」だけでも、驚くほど軽さや心地よさが変わってくることがあります。


もし最近、身体が固まっているな、動かしにくいなと感じていたら、関節にやさしく意識を向けてみてください。

それはきっと、心と身体の両方に“ひらき”をもたらしてくれるはずです。


みどり整体院では、関節の可動性や身体のつながりを大切にしながら、一人ひとりのペースに寄り添った整体を行っています。

無理なく、安心して“本来の自分”に戻れる時間を提供できるよう心がけています。

ご自身ではなかなか意識しづらい関節の可動域など、気になる方は是非ご来院ください。


※この記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の症状や治療を保証するものではありません。身体に不調や痛みがある場合は、医療機関へのご相談をおすすめします。


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