マインドフルネスとは?呼吸と身体感覚から「今」に気づく方法


マインドフルネスというと、「目を閉じて瞑想するもの」「頭を空っぽにするもの」と考える方もいるかもしれません。
しかし、マインドフルネスは瞑想だけを指すものではありません。
日常の中で、自分が今何を感じているのか、身体がどのような状態にあるのかに注意を向けることも、その一つです。
仕事中に肩へ力が入っている。スマートフォンを見ているうちに呼吸が小さくなっている。
考えごとをしていて、身体の感覚をほとんど意識していなかった。
こうした変化は、忙しいと見過ごしやすくなります。
今回は、マインドフルネスを特別な瞑想法としてではなく、呼吸や身体感覚を利用して、自分の現在の状態を確認する方法として整理します。
マインドフルネスは「考えない練習」ではない
呼吸へ注意を向けていても、仕事の予定や人との会話、今日やることなど、別の考えが浮かんできます。
これは自然なことです。
マインドフルネスでは、考えが浮かばない状態を目指す必要はありません。別のことを考えていたと気づいたら、もう一度、呼吸や身体の感覚へ注意を戻します。
重要なのは、「集中を切らさないこと」ではなく、自分の注意がどこへ向いているのかに気づくことです。
たとえば、パソコン作業をしながら明日の予定を考えていることに気づいたら、足の裏が床に触れている感覚や、椅子に座っている身体の重さを一度確認します。
その後、再び作業へ戻れば十分です。
日常生活では注意が外側へ向き続ける時間が長いため、ときどき身体の状態を確認すること自体に意味があります。
呼吸は身体の状態を確認しやすい
呼吸は、自分の現在の状態を確認するときに使いやすい身体感覚の一つです。
普段は意識していなくても、呼吸は続いています。
一方で、呼吸の速さや深さは、運動、姿勢、集中、緊張などによって変化します。
何かに集中しているときには、呼吸が小さくなったり、一時的に息を止めたりすることもあります。
ここで注意したいのは、「深く呼吸しなければならない」と考えすぎないことです。
マインドフルネスでは、呼吸を理想的な形へ直すことよりも、今どのような呼吸をしているのかを確認します。
胸が動いているのか、お腹が動いているのか、息を吐いたときに身体がどのように変化するのか。
自分が分かりやすい部分だけで構いません。
呼吸そのものと身体の緊張については、そのひと呼吸で、心と身体がほどけていくでも扱っています。
呼吸を評価するのではなく、現在の身体の状態を知る材料として使うと、マインドフルネスを日常へ取り入れやすくなります。
集中すると呼吸や身体感覚に気づきにくくなる
パソコンで細かい作業をしているときや、スマートフォンの画面を長く見ているときには、注意が画面へ集中します。
その間、肩や首へ力が入っていても気づかなかったり、呼吸が小さくなっていても、そのまま作業を続けたりすることがあります。
だからといって、集中することや一時的に呼吸が変化すること自体が悪いわけではありません。
大切なのは、自分がどのような場面で身体へ力を入れやすいのかを知ることです。
作業中にふと呼吸へ注意を向けて、「今は息が小さくなっている」「肩が少し上がっている」と確認できれば、それだけでも自分の身体の使い方を知る材料になります。
集中や緊張と呼吸の関係については、なぜ人は無意識に息を止めるのか?集中・緊張と呼吸の関係でも詳しく解説しています。
身体感覚を見るときは「悪いところ探し」にしない
マインドフルネスでは、呼吸だけでなくさまざまな身体感覚を観察できます。
椅子に座っているなら、足の裏と床の接触、お尻と椅子の接触、手の重さ、肩や首の位置などを確認できます。
このとき、「左右差があるから悪い」「肩が硬いから直さなければならない」と判断する必要はありません。
身体はいつも左右対称ではありませんし、姿勢や動きによって感じ方も変わります。
まずは、「右足の方が床を強く感じる」「今日は肩に力を感じる」「呼吸すると胸の方が動きやすい」と、その時点の状態を確認します。
身体感覚を観察する考え方については、身体の声を聴く方法|違和感に早く気づくための身体感覚の育て方でも詳しく紹介しています。
マインドフルネスでも、身体をすぐに変えることより、現在どのように感じているかを把握することが基本になります。
日常生活の中でもマインドフルネスはできる
マインドフルネスを行うために、必ず静かな場所で座ったり、長い時間を確保したりする必要はありません。
普段の生活の中でも行えます。
たとえば仕事の休憩中に、椅子へ座ったまま足の裏の感覚を確認します。
その後、数回だけ呼吸の動きを観察します。
深呼吸をする必要はありません。
現在の呼吸が速いのか、ゆっくりなのか、胸やお腹のどこが動いているのかを見るだけです。
ほかにも、歩いているときに足裏の感覚へ注意を向ける、手を洗っているときに水の温度を感じる、食事中に味や香りを確認するといった方法があります。
こうした方法なら、特別な時間を作らなくても、短時間で身体へ注意を向けることができます。
身体の緊張に気づいたあと、どうするか
身体へ注意を向けると、肩や首、顎、お腹などへ力が入っていることに気づく場合があります。
そのたびに、すぐ力を抜こうとする必要はありません。
身体は、作業内容や姿勢、周囲の環境によって緊張の程度を変えます。
必要な場面では力が入り、集中しているときには身体の動きが小さくなることもあります。
まずは、「自分はこの場面で力が入りやすい」と知ることが大切です。
そのうえで、長時間同じ姿勢が続いているなら一度立つ、肩を動かす、視線を画面から外すなど、その場に合った行動を選びます。
呼吸が小さくなっていることに気づいた場合も、無理に大きく吸う必要はありません。
作業を一度止めて、自然な呼吸に戻るまで身体の状態を確認します。
マインドフルネスは、緊張をその場で消すための方法というより、身体の状態を把握し、必要に応じて行動を変えるためのきっかけとして使うことができます。
長時間続けることより、生活に入れやすい形を選ぶ
毎日長時間行うことを目標にすると、マインドフルネスそのものが負担になることがあります。
最初は短時間で十分です。
仕事の区切りで数回だけ呼吸を見る。立ち上がったときに足の裏を確認する。スマートフォンを置いたあとに肩や首の状態を見る。
こうした使い方でも、自分の身体の状態を確認する機会になります。
大切なのは、決められた方法を完璧に行うことではありません。
呼吸、姿勢、身体の接触感覚など、自分が分かりやすいものを一つ選び、現在の状態を確認します。
続ける場合も、その日の体調や生活に合わせて無理のない方法を選ぶ方が現実的です。
整体でも身体感覚を確認することを大切にしています
みどり整体院では、身体を一つの正しい形へ合わせることだけではなく、現在の身体がどのように使われているかを見ることを大切にしています。
立ったときにどこへ力が入りやすいのか、動いたときに左右で違いがあるのか、呼吸によって身体がどのように動くのか。
こうした情報は、本人が普段気づいていない身体の使い方を知る手がかりになります。
マインドフルネスにも共通するのは、まず現在の状態を確認するという点です。
呼吸や身体感覚に注意を向けることで、自分がどの場面で緊張しやすいのか、どのような姿勢が続きやすいのかを把握しやすくなります。
そのうえで、必要に応じて姿勢を変える、身体を動かす、休憩を取るといった調整につなげます。
マインドフルネスは、瞑想を上手に行うことだけを目的とするものではありません。
日常生活の中で、呼吸や身体感覚を使って自分の現在の状態を確認する方法として取り入れることができます。
※この記事は、マインドフルネス、呼吸、身体感覚について一般的な考え方を紹介するものです。強い不安や気分の落ち込み、息苦しさ、胸の痛みなどがある場合や、状態が長く続く場合は、セルフケアだけで対応せず、医療機関や専門機関へご相談ください。
ソクラやウーパー達のLINEスタンプも作っています。
日常のちょっとしたやり取りや、ゆるい会話のお供にどうぞ。
LINEスタンプ一覧はこちら
イラスト素材や写真も公開しています。
記事の理解や資料作りに、ぜひご活用ください。
Pixabay
イラストAC



コメント