それ、本当に“食べ物”ですか?──身体がよろこぶリアルフードの話
- タナカユウジ
- 5月29日
- 読了時間: 7分
「気づけば最近、何を食べてもいまいち元気が出ない」「ちゃんと休んでいるのに疲れが残る気がする」──そんな感覚を覚えたことはありませんか?
疲れやストレス、運動不足など、理由はさまざまですが、見落とされがちなのが“食べているもの”です。
普段、何気なく口にしているその食事が、身体の声をかき消していることもあります。
今回は「ジャンクフード」と「リアルフード」という視点から、食事と身体の関係をやさしくひも解いてみたいと思います。
中野区のみどり整体院でも「食べものと身体の状態」の関連に興味を持たれる方が増えてきました。整体やケアに加えて、日々の食事にも少しだけ目を向けてみませんか?
ジャンクフードって、どんな食べ物?
ジャンクフードという言葉はよく耳にしますが、具体的にはどんなものを指すのでしょうか?
一般的には、「もとの素材が分からないほど加工されているもの」が、ジャンクフードのひとつの特徴とされることもあるようです。
一言でいえば、加工度が高く、素材が何か分かりづらい食べ物です。
スナック菓子、ファストフード、インスタント食品などが代表例ですね。
こういった食べ物は、見た目や味、香りが魅力的に作られています。
それは私たちの脳の“報酬系”を刺激し、「もっと食べたい」という感情を引き起こすためです。
つまり、脳が「これは快感だ」と認識するように、よくできているのです。
でも、その一方で身体にとっては“情報が少ない”食べ物でもあります。
私たちの身体は、本来、食べたものの「正体」を見分けて処理しています。
たとえば「これはお米だ」「これは魚だ」というように。
しかしジャンクフードは、あまりに多くの加工や添加がなされているため、身体が「これ、なに?」と戸惑ってしまう。
その結果、消化や吸収がうまくいかず、食後に眠くなったり、だるくなったり、すぐにお腹がすいたり──そんな経験、ありませんか?
ジャンクフードには確かに“エネルギー”はあるかもしれません。
でも、身体が求めている“栄養”や“素材としての情報”が不足していることが多いのです。
それが積み重なると、「食べているのに、元気が出ない」状態につながってしまうのかもしれません。
さらに、身体が必要としている栄養を満たせていないことで、「だからもっと食べなきゃ」と思ってしまい、過食や体重増加につながることもあるようです。
リアルフードとは?
では、ジャンクフードと対比される「リアルフード」とは、どんな食べ物を指すのでしょうか。
明確な定義があるわけではありませんが、一般的にはできるだけ自然に近く、素材そのものがわかる食べものをリアルフードと呼ぶことが多いようです。
たとえば、野菜、果物、魚、豆類、卵、玄米など、「これは何でできているか」が一目で分かる食材がその例です。
リアルフードには、添加物や過剰な味付けが少なく、私たちの身体が「これは知っている」と感じやすい特徴があります。
これは消化・吸収のプロセスにも関係しており、身体がスムーズに“情報”として処理できる食べものは、負担が少なく、結果として身体が整いやすくなるとも言われています。
実際、リアルフードを多く取り入れるようにしただけで、「食後に眠くなりにくくなった」「夕方のだるさが軽くなった気がする」と感じられる方もいます。
もちろん、個人差はありますが、「何を食べるか」が「どう過ごせるか」に影響してくるのは自然なことかもしれません。
また、リアルフードには、満足感の質が違うという声もあります。
味覚や噛む感覚、素材そのものの風味が感じられる食事は、少ない量でも「ちゃんと食べた」と身体が認識してくれることがあります。
結果的に、無理に量を食べようとしなくても自然に満足できるという感覚が芽生えることもあるのです。
食べものが身体に与える影響
私たちの身体は、食べたものでできています。
この言葉はよく耳にするかもしれませんが、もう少し踏み込んで言えば、「どんな食べ方をしているか」「どんな質のものを摂っているか」も、身体の反応に大きく関わってきます。
たとえば、消化に時間がかかる食事ばかり続くと、胃腸が休まらず、なんとなく疲れやすくなったり、朝起きたときに重だるさを感じたりすることもあります。
また、栄養が偏った状態が続くと、ホルモンバランスや自律神経の働きにも影響が出てくる場合があります。
これが「気分の浮き沈みが激しい」「集中力が続かない」「寝てもすっきりしない」といった感覚につながっているケースもあるのです。
最近では、腸内環境と脳の働きのつながりも注目されています。
腸は「第二の脳」とも呼ばれ、私たちの感情やストレス反応に密接に関わっていることがわかってきました。
食事が乱れることで腸内のバランスが崩れ、それが気分や免疫、さらには姿勢や呼吸のしやすさにも影響する──そんな可能性もあると言われています。
もちろん、食べたものの影響はすぐに表れるわけではありません。
ですが、日々の積み重ねが今の身体を作り、未来のコンディションにも関係してくると考えると、食事も立派な“ケア”のひとつではないでしょうか。
整体師から見た“身体が喜ぶ食事”の視点
私自身はジャンクフードをまったく食べないわけではありません。
たま〜に食べたくなる時や、体調がすぐれず自炊が難しい時などは、節度をもって食べるようにしています。
また、友人との食事の場では、相手に気を使わせたくないという思いもあり、すべてを避けるということはしていません。
ただ、そうした日があることが前もって分かっている場合には、その前後で食事の内容を少し調整するようにしています。
次の日の食事量を控えめにしたり、主食を抜いたりするなど、2〜3日単位でバランスをとるような感覚です。
整体の現場では、肩や腰の張り・全身のこわばりといった身体の状態が「なかなかゆるみにくい」と感じる方に共通して、“生活習慣の乱れ”が背景にあることが少なくありません。
その中でも「食事」の影響を感じるケースは、思った以上に多くあります。
たとえば中野区で営んでいるみどり整体院でも、食生活を見直したことで「夜に足がつらなくなった」「起き抜けのだるさが減った気がする」と話してくれた方がいました。
もちろん、整体の効果や身体調の変化はさまざまな要因が重なって起こるため、単純に「食事を変えれば良くなる」とは言えません。
それでも、身体が本来持っている回復力を発揮しやすい状態に整えるという意味で、「何を食べるか」は確かに大きな要素のひとつなのだと感じます。
私自身も、若いころ、前日にコッテリした食事や甘いものを多く摂った翌日の施術では、手の感覚が鈍くなるように感じることがありました。
身体の中が“情報でにごる”ようなイメージです。
その経験があってから、施術の前日はジャンクフードや糖分の多いものをなるべく控えるようにしています。
今では、昼食はあえて摂らないようにして、身体の感覚をクリアに保つようにしています。
とはいえ、以前に身体にやさしいものを食べて過ごした日には、施術中の感覚が不思議と冴え、自然と力が抜けていることに気づいたこともありました。
これは「食事が施術の質にも関係しているのでは?」と思わされる瞬間でもあります。
食事は“自分を整える”手段のひとつとして
忙しい日々の中で、食事はどうしても「手軽さ」や「満足感」を優先しがちです。
けれど、ちょっとだけ立ち止まって、「これ、身体がよろこぶものかな?」と問いかけてみることも、自分をいたわる第一歩になるかもしれません。
すべてを完璧にする必要はありません。
たとえば、朝だけはリアルフードにしてみるとか、お菓子の代わりに果物を取り入れてみるとか、そんな小さな工夫からでも十分です。
身体はちゃんと見ていて、応えてくれる。
そう信じられると、食事の時間も少しあたたかいものになっていくのではないでしょうか。
みどり整体院では、身体の声を聴くお手伝いをしながら、こうした“日常の選択”にも目を向けてもらえるような時間を大切にしています
あなたの毎日が、少しでも軽やかになりますように。

※本記事は、特定の食品や食事法を推奨・否定するものではありません。また、医療的な診断やダイエットの指導を目的としたものではなく、あくまで日常生活における“気づき”の一助としてお読みいただければ幸いです。
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