動きを見直すという考え方 モビリティ・トレーニングを整体の視点で整理してみる
- タナカユウジ

- 5 日前
- 読了時間: 5分
「モビリティ・トレーニング」に興味を持った理由
日々、筋トレをしていると、同じ動きだけを繰り返している状態に、ふと気づくことがあります。最初のうちは刺激を感じていたはずなのに、続けていくうちに、その動きが「作業」のようになっていく。力は入っているのに、身体の中の感覚が薄くなる。
そうした状態を経験する中で、単に負荷を増やすだけではなく、動きそのものを見直す必要があるのではないかと考えるようになりました。
そこで試したのが、あえて慣れていない動きを取り入れてみることでした。その流れの中で出会ったのが、「モビリティ・トレーニング」です。
整体とも相性が良いと感じ、現在はこの考え方を、日々のトレーニングだけでなく、施術の中で身体を観察する視点としても取り入れています。
モビリティとは何か
モビリティという言葉は、「柔軟性」や「可動域」と混同されがちですが、ここで扱う意味合いは少し異なります。
柔軟性:どこまで動くか
モビリティ:どう動くか
関節がどれだけ大きく動くかよりも、その動きを自分で把握し、制御できているか。そこに焦点を当てた考え方です。
無理に伸ばすことや、回数を多くこなすことが目的ではありません。
動かしている最中に、「ここはスムーズに動く」。「ここから先は急に重くなる」。
そうした変化に気づくこと自体が、モビリティ・トレーニングの大切な要素になります。
結果として可動域が変わることもありますが、それはあくまで副次的なものと捉えています。
なぜ整体と相性がいいのか
施術では、身体がどこで支えられ、どの部位が連動して動いているかを観察します。
見た目の姿勢や、一部の筋肉だけを見るのではなく、動いたときの全体のバランスを重視します。
モビリティ・トレーニングも同様に、狙うのは形を整えることではなく、動きの質を感じ取ることです。
力を抜いた瞬間、どこが代わりに頑張るのか
ゆっくり動かしたとき、どこで引っかかりが出るのか
そうした反応は、身体が普段どのように使われているかを知る手がかりになります。
整体の視点と組み合わせることで、その情報をより立体的に捉えられると感じています。
今回紹介する2つの動きについて
ここからは、画像を見ながら、実際の動きを確認していきます。
細かい形を再現することや、正しく動かそうとする必要はありません。
画像は、動きの途中を切り取ったものです。その場面で身体の中で何が起きていそうかを、観察するための材料として見てください。
今回は、モビリティの中でも、比較的シンプルで観察しやすい動きを2つ紹介します。
どちらも、難しいフォームを作ることや、大きく動かすことを目的にはしていません。
動かしている途中で、「ここで動きが変わる」。「この方向は使いにくい」。
そうした感覚に気づきやすいものを選んでいます。
スキャプラ・サークル
ここでは、肩甲帯がどの方向に動きやすく、どこで動きが変わりやすいかを観察します。
円を大きく描くことや、限界まで動かすことは目的にしていません。
肩をゆっくり動かしていく中で、途中で重さが変わる位置や、動きが一瞬止まりやすい位置に目を向けます。
その場所は、日常動作の中で負担が集まりやすい使われ方をしている場合があります。
形を整えるのではなく、今どのように動いているかを確認する。その視点を持つことが、この動きの目的です。
動きの流れ
①腕を身体の前に出し、手をそろえます。肩が前に出る途中の感覚を確認します。

②腕を頭の上に上げます。上げ切らず、肩まわりの動きの変化を確認します。

③肘を曲げ、腕を左右に開きます。左右の肩甲骨どうしを近づけるように動かし、背中側で起きる変化を確認します。

④腕を身体の前に下ろします。手は身体につくか、つかないかの高さまで。戻る途中の重さや引っかかりを確認します。

ヒップ・カー
ここでは、股関節がどの方向で動きやすく、どの位置で力が入りやすいかを観察します。
可動域を広げることや、大きく円を描くことは目的にしていません。
片脚をゆっくりと動かしながら、途中で重さが変わる位置や、無意識に力が入りやすくなる場面に注意を向けます。
特に、骨盤が一緒に動き始めるタイミングや、脚だけで動かそうとして負担が集まる位置は、日常動作の癖が表れやすいポイントです。
形を作ろうとせず、「どこまで」「ではなく」「どこで」動きが変わるか。その感覚を確認するための動きとして捉えてください。
①四つ這いの姿勢から始めます。身体の重さがどこに乗っているかを確認します。

②膝を胸の方へ引き寄せます。動きの途中で、股関節まわりの感覚の変化に気づきます。

③膝を横に、犬がおしっこをするようなポーズをします。脚を横に出したときの、引っかかりや使いにくさを感じ取ります。

④膝を曲げたまま、後ろへ回していきます。円の終わりで、動きがどう変わるかを観察します。

まとめ
今回紹介したモビリティ・トレーニングは、身体を変えるための特別な方法というより、動きを観察するための視点として捉えています。可動域を広げることや、うまくできるかどうかを評価することが目的ではありません。
動かしている途中で、どこが使いやすいかを確認します。どこで動きが変わるかを感じ取ります。その違いに気づくこと自体が、モビリティ・トレーニングの大切な要素になります。
整体でも、形だけを見るのではなく、動いたときの反応や全体の流れを観察します。その点で、この考え方は整体の視点とも相性が良いと感じています。
毎回きちんと行う必要はありません。忘れてしまっても問題ありません。思い出したときに、少しだけ自分の動きを確認してみる。それが、身体の使い方を見直すきっかけになります。
※本記事(動画)で紹介している内容は、
身体の動きを観察するための視点を整理したものであり、
特定の効果や変化を保証するものではありません。
体調や状態には個人差があるため、無理のない範囲で行ってください。



コメント