そのひと呼吸で、心と身体がほどけていく
- タナカユウジ
- 4月26日
- 読了時間: 4分
どり整体院のブログや動画では、たびたび「まず、呼吸をしてみましょう」とお伝えしています。それはなぜでしょうか?
呼吸は、身体と心の“架け橋”であり、自律神経のバランスを整えるとても重要な手段だからです。
深呼吸、ため息、ふぅ〜と吐くあの感覚。
これらは、私たちが「今この瞬間」に戻るための、シンプルでありながら本質的な動きです。
呼吸は“今ここ”に戻る手段
忙しいとき、緊張しているとき、私たちの呼吸は知らず知らずのうちに浅く速くなりがちです。
これは、交感神経(活動モード)が優位になり、身体を「戦うか逃げるか」の状態に備えさせるための自然な反応です。
しかし、交感神経が長時間優位なままだと、首や肩、背中に過剰な緊張が生まれ、呼吸筋(横隔膜や肋間筋)も固まりやすくなります。
そこで大切なのが、呼吸を整えること。とくに「吐く息を丁寧にする」ことで、副交感神経(リラックスモード)が刺激され、心身が自然と落ち着いていく流れが生まれます。
うまく呼吸できない日もある
「呼吸は自然なもの」と思われがちですが、ストレスや長年の緊張パターンにより、呼吸が浅く固くなっている方も少なくありません。
過去のストレス体験や、繰り返される緊張状態が、脳(扁桃体など)に「警戒モード」が刷り込まれてしまうこともあります。
そんなときは、無理に深く吸おうとする必要はありません。
まずは「ふぅ〜」と吐くだけでOK。
吐くことで横隔膜が下がり、副交感神経が働きやすくなります。
結果的に、呼吸が自然と深まっていくサイクルが作られていきます。
呼吸から始める「マインドフルネス瞑想」
ここで、私が日々実践している呼吸法のひとつをご紹介します。
それが「マインドフルネス瞑想」です。
マインドフルネス瞑想では、「呼吸という“今ここ”の感覚」を拠りどころにして、頭の中の雑念や過去・未来へのとらわれから、静かに離れていきます。
基本のやり方
姿勢を整える 椅子でも、あぐらでもOK。背筋を軽く伸ばし、手は太ももの上に置きます。
目を閉じる、または半眼 視線を落とし、外からの刺激を減らします。
呼吸に意識を向ける 「吸っている」「吐いている」感覚だけを感じます。 心の中で「吸って」「吐いて」と添えるのもよいでしょう。
雑念が浮かんだら、やさしく戻る 考えごとが浮かぶのは自然なこと。 気づいたらまた呼吸へ戻る。それだけで十分です。
このプロセスが、脳の前頭前野(注意を司る領域)を鍛え、ストレス耐性や情動コントロール力を育む助けにもなります。
マインドフルネス瞑想の主な効果
自律神経バランスの調整(交感神経と副交感神経の切り替えがスムーズに)
ストレスの軽減
集中力や注意力の向上
不安や緊張の緩和
睡眠の質の改善
自己認識の向上(自分自身を客観的に見つめられるようになる)
呼吸とともに「今ここにいる」感覚を取り戻すことは、忙しい毎日のなかで、心身の“リセットボタン”を押すようなものです。
1分からでもOKです。
慣れてきたらだんだんと時間を延ばしていけば良いと思います。
ちなみに私は1回で10~15分ほど行います。
自分に優しい「ひと呼吸」を
ここで大切なのは、呼吸をうまくやろうとしないこと。
完璧な呼吸を目指す必要はありません。
思い出したときに、ただ「ふぅ〜」と吐く。それだけで、脳と神経系に「安心していいよ」というサインが送られます。
小さなひと呼吸の積み重ねが、やがて大きな変化につながっていくかもしれません。
おわりに
みどり整体院では、施術の前後に「まずひと呼吸してみましょう」とお声がけすることがあります。
それは、心と身体の緊張をほぐすためであり、そしてなにより、「自分自身に優しく戻るきっかけ」にしてほしいからです。
肩の力を抜いて、ふぅ〜っと。
今日も、ご自身をいたわる時間を、どうか大切に。
※当院は厚生省ガイドラインを遵守し、クライアントの皆様に安全で信頼性の高いサービスをご提供しています。常に最新の法令や基準に基づいた運営を心がけ、皆様の健康と幸せをサポートいたします。
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