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眠れないのは、がんばりすぎた身体がまだ“起きている”からかもしれません

  • 執筆者の写真: タナカユウジ
    タナカユウジ
  • 5月10日
  • 読了時間: 5分


眠ろうとしているのに、身体はまだ“戦っている”?

「早く寝なきゃ」「明日に響くから寝ないと」──そんなふうに思えば思うほど、逆に眠れなくなる夜。

それは単に考えすぎているわけではなく、身体そのものが“まだ休んでいい状態になっていない”からかもしれません。

人の身体には、自律神経という仕組みがあります。

日中の活動や緊張を司る“交感神経”と、夜や休息時に働く“副交感神経”。

この二つは状況に応じて自然に切り替わるようにできていますが、日々のストレスや習慣が強く影響し、交感神経が優位なまま夜を迎えてしまうこともあります。

つまり、意識では「寝たい」と思っていても、身体の中では「まだ戦闘中」と判断されている状態なのです。


力を抜くという“むずかしさ”

「力を抜いてください」と言われて、かえって力んでしまった経験はありませんか?

私たちは日常の中で、常に何かに“構えている”時間が多くなっています。

 仕事の締め切り、人間関係、SNSの通知……。

小さな緊張の積み重ねが、気づかないうちに身体の“ゆるむ感覚”を遠ざけてしまいます。

リラックスとは、単に筋肉をゆるめるだけでなく、“自分は安全だ”と感じること。

 安心がなければ、身体は自然と緊張を維持し、力を抜くことが難しくなってしまうのです。


がんばる人ほど、身体がゆるまない理由

「ちゃんとしなきゃ」「迷惑をかけないように」── そんな気持ちで日々を過ごしている方は多いと思います。

 責任感の強い人ほど、自分を後回しにし、気づかぬうちに心と身体に負荷をかけています。

この“常時緊張モード”は、自律神経にとっては「常に警戒状態でいること」を意味します。

そしてこの状態が続くと、夜になっても副交感神経に切り替わらず、 身体は「まだ気を抜いてはいけない」と判断してしまうのです。

睡眠の質が低下するのは、「眠れないからつらい」のではなく、「ずっとがんばり続けている身体が、休むことに許可を出せない」という状態かもしれません。


安心感が、眠りの入口になる

眠りやすい環境をつくるための具体的な行動も取り入れてみましょう。


  • 入浴:ぬるめのお風呂にゆっくり浸かることで、身体の深部体温が一時的に上がり、その後の体温の下降とともに眠気が促されます。


  • デジタルデトックス:スマートフォンやパソコンの光は脳を刺激し、眠気を妨げます。寝る1時間前にはデバイスの使用を控えるのがおすすめです。


  • 身体を温める:夏場に湯たんぽは使いにくいですが、エアコンで冷えた部屋に長時間いると足先が冷えやすくなります。

    そんなときは、 

    • 薄手のレッグウォーマーや足湯で足元を温める

    • 腹巻きや薄いブランケットでお腹を冷やさない

    • シャワーで済ませる日でも、最後に足元に温かいお湯をかける などが有効です。夏でも“部分的に温める”ことで身体は安心感を得やすくなり、深部体温のゆるやかな下降を促すことで、自然な眠気にもつながります。


こうした環境づくりに加えて、 眠るために必要なのは「努力」ではなく「安心」です。

眠れないとき、多くの人は「どうすれば寝られるか」を考えます。

 けれど、身体の立場に立ってみると、まず必要なのは“外敵のない安全な環境”なのです。


“誰かと眠る”ことの安心感

興味深いデータがあります。

 人は一人で寝るより、誰かと一緒に寝た方が眠りが深くなる傾向があるというものです。 これは、人類の進化の過程において、集団で眠ることで外敵から身を守ってきたという記憶が、 無意識レベルに刻まれているためだと考えられています。

もちろん現代では物理的に誰かと一緒に寝るのは難しいこともあります。

 でも、ぬいぐるみやクッション、ペットといった“安心を感じられる存在”をそばに置くだけでも、 身体が感じる警戒はほんの少しゆるむ可能性があります。

ちなみに、個人的なおススメはウーパールーパーです。 私は毎晩、彼らが水槽でぷかぷかしている姿に癒されて、ぐっすり眠れています(笑)


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さらに、次のような行動も有効です:

  • 胸に手を当てて、軽く「よしよし」と撫でる

  • 呼吸を「吸おう」とせず、「吐く」ことに意識を向ける

  • 足裏の感覚に意識を向け、地に足がついている感覚を感じる


これらの行為は「今ここにいても大丈夫だよ」と身体に伝える小さなサインです。

 繰り返していくうちに、少しずつ副交感神経が働きやすくなり、 自然な眠りに導かれていく可能性が高まります。


眠りは“委ねる”ことから

「眠れない夜があるのは悪いことじゃない」

これは、心身の緊張がまだ解けていない証拠であり、 同時にそれは「自分を守ろうとしている」身体の反応でもあります。

責める必要はありません。

ただ、「今日もよくがんばったね」と自分に伝えながら、 安心の小さなきっかけを与えてあげる。

眠りは“命令”ではなく、“許可”なのだと思います。


みどり整体院では、緊張しやすい方にも安心して施術を受けていただけるよう、 初めての方でも落ち着いて過ごせる雰囲気と、やさしく丁寧な整体を心がけています。

 もし「力を抜くのが苦手だな」と感じている方がいれば、安心してご来院ください。

今夜も、あなたの身体が少しでも安心を取り戻し、 自然な眠りのリズムへと戻っていけますように。

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