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姿勢を支える背中の筋肉|脊柱起立筋の役割とやさしいセルフケア

  • 執筆者の写真: タナカユウジ
    タナカユウジ
  • 2025年4月29日
  • 読了時間: 7分

更新日:2 日前



※動画は記事公開当時の内容です。現在の内容に合わせ、本文は一部更新しています。


背中は、普段あまり意識することのない場所です。

それでも、椅子に座っているときも、立っているときも、歩いているときも、背中の筋肉は身体を支えるために働いています。


長時間のデスクワークを終えたとき、「背中が重い」「腰まで張っている」と感じることがあるのは、こうした働きが続いていることも関係しています。


背骨に沿って広く走り、姿勢や身体の動きに関わっている筋肉の一つが「脊柱起立筋」です。

名前だけを見ると「背骨をまっすぐに保つ筋肉」という印象を受けるかもしれませんが、その役割はそれだけではありません。


今回は、脊柱起立筋が普段どのように身体を支えているのかを確認しながら、背中へ負担が集まりやすい生活習慣や、日常で取り入れやすいセルフケアについて紹介します。


脊柱起立筋とは何か


脊柱起立筋は、背骨に沿って縦方向に走る筋肉群の総称です。


大きく分けると、


・棘筋(きょくきん)

・最長筋(さいちょうきん)

・腸肋筋(ちょうろっきん)


の3つから構成されています。


  • 背骨に沿って走る脊柱起立筋の位置を背面から示した解剖イラスト

脊柱起立筋は背骨や肋骨、骨盤などと関わりながら、身体を起こした状態で支えたり、背中を反らしたり、身体を横へ倒したりするときに働きます。

立っているときだけでなく、座っているときや歩いているときにも使われています。


つまり、特別な運動をしているときだけ働く筋肉ではありません。

日常生活のさまざまな場面で、姿勢や動きを支えている筋肉の一つです。


脊柱起立筋と姿勢の関係


姿勢を保つためには、脊柱起立筋だけでなく、お腹まわりの筋肉や骨盤、股関節など、さまざまな部分が協力しています。

そのため、「姿勢が悪いから脊柱起立筋が弱い」「背中が硬いから脊柱起立筋が緊張している」と、一つの筋肉だけを原因として考えることはできません。


特に背中へ負担が集まりやすいのが、同じ姿勢を長時間続けているときです。


デスクワークでは身体を大きく動かしていなくても、上半身を支えるために背中やお腹まわりの筋肉が働いています。

同じ姿勢が長くなれば、それだけ特定の場所が働き続ける時間も長くなります。


また、スマートフォンやパソコンを見るために顔が前へ出ると、首だけでなく肩甲骨や背中、骨盤の位置も変わります。

そのため、首や肩だけではなく身体全体の使い方を見ることが大切です。


スマートフォンを見る姿勢と首・肩・背中の関係については、「スマホ首とは?首や肩の違和感が続く理由と身体全体から見直すポイント」でも詳しく紹介しています。


大切なのは、一つの「正しい姿勢」をずっと維持しようとすることではありません。


背筋を伸ばした姿勢でも、前かがみの姿勢でも、長時間ほとんど動かなければ同じ場所へ負担が集まりやすくなります。

「良い姿勢を崩さないように頑張る」よりも、ときどき座り方を変える、立ち上がる、少し歩くなど、身体を固定し続けないことを意識してみてください。


脊柱起立筋だけを鍛えたり伸ばしたりするのではなく、背骨、骨盤、股関節などを含めて身体全体が動けることが、背中への負担を考えるうえで大切です。


脊柱起立筋が働き続けると感じやすい変化


同じ姿勢を長く続けていると、背中や腰まわりに重さや張りを感じることがあります。

そのとき、脊柱起立筋を含めた背中の筋肉が、姿勢を支えるために働き続けている場合があります。


また、前かがみの姿勢が続くと、胸やお腹まわりの動きも小さくなりやすくなります。

呼吸の際には肋骨や横隔膜なども動くため、背中だけを切り離して考えるのではなく、姿勢と呼吸を一緒に確認してみることも大切です。


たとえば、どのくらい同じ姿勢を続けていたのか、座っているときに身体をどこで支えているのか、肩やお腹へ必要以上に力が入っていないかなどを確認してみます。


長時間集中したあとに呼吸まで浅くなっていると感じる方は、「そのひと呼吸で、心と身体がほどけていく」も参考にしてください。

呼吸と身体の緊張、自律神経との関係について詳しく紹介しています。


自分の姿勢を観察してみる


姿勢を見るときは、「良い姿勢か、悪い姿勢か」を判定するのではなく、普段どのように立っているのかを観察してみましょう。


壁に背を向けて立ち、腰と壁の間に手を入れて姿勢を確認する女性

壁に立ってみると、普段の姿勢では気づきにくい身体の位置を感じやすくなります。


壁立ちチェック


1. 壁を背にして、無理のない姿勢で立ちます。

2. かかとや骨盤、背中、頭が壁に対してどのような位置にあるか確認します。

3. 腰と壁の間にどのくらいすき間があるか、手を入れて確かめてみます。


このチェックだけで、「反り腰」「猫背」といった姿勢の状態を決めつけることはできません。


腰のカーブや骨盤の位置には個人差があり、壁とのすき間だけで筋肉の状態まで判断することもできません。


見るポイントは、壁に身体を合わせることではなく、自分が普段どのように立っているかです。

頭を壁につけようとすると顎が上がる、肩を強く後ろへ引きたくなる、腰を反らさないと立ちにくいなど、姿勢を変えようとしたときに身体のどこへ力が入るのかを観察してみてください。


「正しい形」をつくるためではなく、普段の立ち方や身体の使い方を知るためのチェックとして活用しましょう。


キャットカウストレッチ


背中を長時間同じ位置で支えていたあとは、背骨をゆっくり動かしてみるのも一つの方法です。


四つ這いで背中を丸める動きと反らす動きを行うキャットカウストレッチ

キャットカウは、四つ這いの姿勢で背中を丸める動きと反らす動きを交互に行います。


やり方


1. 両手と両膝を床につき、四つ這いになります。

2. 息を吐きながら、無理のない範囲で背中をゆっくり丸めます。

3. 次に息を吸いながら、背骨を反対方向へゆっくり動かします。

4. 呼吸に合わせながら、数回繰り返します。


大きく動かすことよりも、背骨がどのように動いているかを感じながら行うことがポイントです。


腰を強く反らしたり、首だけを大きく動かしたりする必要はありません。

呼吸に合わせて、気持ちよく動ける範囲で行ってみてください。

痛みや強い違和感が出る場合は中止しましょう。


脊柱起立筋を休ませるためにできること


背中を労わるために、特別な運動を毎日行わなければならないわけではありません。

むしろ日常生活の中で、同じ場所へ負担を集中させないことが大切です。


デスクワークが続いたら、一度立ち上がる。

長く座っていたら、少し歩いてみる。

背中が固まっていると感じたら、無理のない範囲で身体を動かしてみる。


こうした小さな変化でも、同じ筋肉だけが働き続ける時間を減らすことができます。


また、背中や腰だけでなく、骨盤や股関節がどのように使われているかを見ることも大切です。

腰まわりと股関節、呼吸との関係については、「腰まわりの違和感と腸腰筋の関係 ~座り方と呼吸から見直す身体の使い方~」でも紹介しています。


また、背中だけでなく腰の重さや違和感が続いている方は、症状別ページ「腰の重さや違和感が気になる方へ」も参考にしてください。

腰だけを切り離さず、姿勢や骨盤、股関節など身体全体から考えるポイントを紹介しています。


姿勢を無理に固定するのではなく、ときどき身体の位置を変えながら、背中が休める時間をつくってみてください。


おわりに


脊柱起立筋は、立つ、座る、歩くといった日常の動作の中で、背骨や身体を支えている筋肉の一つです。

だからこそ、背中に重さや張りを感じたとき、「この筋肉が悪い」と一つの原因へ決めつける必要はありません。


背中に重さや張りを感じたときは、長時間同じ姿勢を続けていなかったか、呼吸が浅くなっていなかったか、身体の一部分だけで姿勢を支え続けていなかったかなど、普段の身体の使い方を振り返ってみてください。


頑張って「正しい姿勢」を維持し続けることよりも、ときどき姿勢を変え、身体を動かし、同じ場所だけが働き続けない時間をつくることが大切です。

普段の身体の使い方を振り返ってみることが大切です。


そんな小さな習慣から、背中との付き合い方を見直してみてください。


※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、診断や治療を目的としたものではありません。強い痛みやしびれ、外傷後の症状などがある場合は、無理にセルフケアを行わず、医療機関へご相談ください。


※ストレッチを行う際は、身体の状態を確認し、痛みや強い違和感が出た場合は中止してください。


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